3652のあらすじ/作品解説

読書道が垣間見られる本

伊坂幸太郎さんが10年の間に書かれた様々なエッセイを一冊の本にまとめたもの。これまでどんな本を読んで来られたのかが浮かび上がってとても興味深かった。メモらずにはいられない読書量。同じものを読んで、どんなことを感じるか比べてみたいような。この本を読むと、伊坂幸太郎さんを形作ってきたものがおぼろげに分かると思う。しかし、日常生活がどんなものか、といった普通のエッセイ集で分かるようなことはほとんど分からないと言っていい。そういうものを期待して読むと、アテが外れた、ということになってしまうのではないか？とは言っても、読者を楽しませようという、常にエンターテイナーであろうとするような姿勢が感じられたのも事実。