シャーロック・ホームズ【全集】のあらすじ・作品解説
「シャーロック・ホームズ【全集】」とは、アーサー・コナン・ドイルが書いた作品で、主人公の探偵シャーロック・ホームズが持ち前の推理力で事件を解決していく小説を収録したものである。記録役はホームズの友人で事件の手助けをするワトスン博士である。 長編4編と短編56編を全て収録され、初版当時のシドニー・パジェットによる挿絵が使用されているものもある。 小説の中の時系列では、シャーロック・ホームズとワトソン博士の最初の出会いの「緋色の研究」から、引退して養蜂家になったホームズが第一次世界大戦直前にスパイを逮捕する「最後の挨拶」の順番になっている。 ドイルは「最後の冒険」でシリーズを終わらせようとしたが、読者の熱い要望に応え「空き家の冒険」でホームズを復活させている。 シャーロック・ホームズは日本でも子供から大人まで幅広い人気を誇っていて、小学生向けに平易に翻訳された全集や社会人が興味を持って読めるように、時代背景の説明やオックスフォード大学版の注釈を入れながら日本語訳されている全集もある。
シャーロック・ホームズ【全集】の評価
シャーロック・ホームズ【全集】の感想
二つの驚愕の落ち
シャーロック・ホームズ物の長編です。いつものように依頼によって謎の殺人や暗号文を解きにいったことから物語ははじまります。本作は「緋色の研究」と同じく二部構成になっており、まず第一部の現代での事件を解決に導き、その後に事件の原因となった背景となるものが第二部で展開されます。つまり緋色の研究の構成や面白さと同じですが、こちらの方が推理小説としてはかなりトリッキーな作りとなっており、より本格的な味わいがあります。しかしドイルだけあってそれぞれの二つの作品が独立した物語として面白いです。第二部は炭鉱町が舞台なのですが、往年のアメリカのギャング映画などにもありそうな展開で楽しめます。