毎日が新しい日なんだ。運がつくに越したことはない。でも、おれはなにより手堅くいきたいんだ。それで、運が向いてくれば、用意はできてるっていうものさ。
サンチャゴ
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老人と海はアメリカの世界的小説家アーネスト・ヘミングウェイによって書かれた文学作品である。1952年に出版されて以降、世界的に読まれ続けている作品である、作者であるヘミングウェイのノーベル文学賞受賞のきっかけとなった作品だとも言われている。 作品の舞台はキューバの小さな漁港であり、ヘミングウェイ自身が実際に現地の老漁師から聞いた話を基にして書かれている。作品全体を貫いている不如意のイメージは作者自身の厭世観に基づいていると言われ、とりわけ作中の老人の描写はヘミングウェイ自身の老いに関する印象、乃至老いに対する悲観主義があるとされている。しかし作中に登場する少年と老人の関係からは、また一方で少年の老人に対する憧憬が読み取られ、老いたことを自覚しながら必死にその老いに抵抗し、必死に生きようとする老人の躍動感が濃厚に描かれてもいる。老人が大きなカジキマグロを捕らえるという単純な話の中に、作者自身の人生観を隈なく鏤めた不朽の秀作である。
漁師の老人を通して人生とはいかなるものかを描く主人公である老人・サンチャゴは、年老いた老人である。彼は傷つき年老いた肉体を持ちつつも、眼だけは不屈の生気をみなぎらせていた。人生における老いとは、その速度や度合いに多少の個人差こそあるものの、等しくすべての人間に訪れるものである。つまり本作において彼の老いは、単純な老衰だけでなく不意の事故や困難といった、人生において避けられないものを暗喩している。少年が見た、老人が眠りについた姿に生気が感じられなかったのは、不屈をたたえた瞳が意志なく伏せられており、老いた体が目立っていたからだろう。老人の不屈をたたえた瞳とは、老いが暗喩するあらゆる困難に毅然と立ち向かう精神を象徴している。常に不屈の精神を持っていないと困難に負けそうになる、という老人の、あるいは作者であるヘミングウェイ自身の人生観がここで表現されている。本作のテーマは人生の不条理と、それ...この感想を読む
漁師サンチャゴがマグロの1本釣りで、4日間マグロと格闘するお話です。簡単に言えばそんな話です。ずっとマグロが釣れず、仲間からもバカにされ、それでもあきらめずに漁に出て、見たこともないほど大きなマグロがかかり、サンチャゴの舟より大きく、力も強いマグロを4日間かけて釣り上げ、たくさんの鮫に襲われ、港に帰るころにはマグロだったもの、残骸だけになってしまっていました。でも傷を負いながらもじっと耐え、成功し、また傷を負い、マグロの一本釣りを通して人生を表しているようでした。よく、我慢した人間が最後に勝つと聞きますsが、まさにこのこれを表しているようだなと思いました。ただ、文章表現が難しかったり、マグロから人生を読み取るだなんて私には難しくて、1度読んだだけでは理解できませんでした。でも、何度か読んでいくとだんだん響いてくるお話なので、ふとした時に読み直すのもいいと思います。この感想を読む
年老いた老人が巨大なカジキマグロを捕獲して港に帰るという物語。老人の力強い動きと魚の生き生きとした生命力を丁寧な描写で書いている。そして老人に懐いている一人の少年作品中はそんなに出てくることはないがこの老人と少年の関係にはどこか美しいものを感じた。誰しもが幼い頃に憧れていた人間というものはいると思う。少年にとって老人は輝いていたに違いない。自分の老いを自覚していても必死に魚に食らいついていく姿は、必見である。老人が無事に大物をモノを持って帰ってきたときは、きっと読者は安心感を得るだろう。もしかしたら読んでいて退屈と思えるところもあるかもしれないが私はお勧めできる一冊だと思っている。
サンチャゴ
一匹も魚が釣れない日が84日も続いている老人が、不屈の精神でたった一人で漁に出掛けた場面
サンチャゴ
サンチャゴは、格闘の末に巨大なカジキマグロを仕留めますが、その直後、鮫に襲われます。鮫を撃退した後に出てくる台詞です。
サンチャゴ
たった一人で漁に出て、一瞬野球のことを考えた時に、自分は漁師として魚を捕ることだけを考えねばならないのだ、と思い直した場面。