バスカヴィル家の犬のあらすじ・作品解説
バスカヴィル家の犬は、イギリスの作家アーサー・コナン・ドイル作の長編小説である。探偵役はシャーロック・ホームズで、他の3編のホームズ物の長編小説のように、ホームズが解決した事件と過去の因縁の話という2部形式を取っていない。 魔犬に呪われているという言い伝えがある家柄のバスカヴィル卿が死体で発見され、心臓発作と診断された。だが、遺体の側には犬の足跡があった。卿の主治医の医師が友人のワトスン博士に助けを求め、ホームズに事件解明を依頼する。跡継ぎの甥宛に警告の手紙が届き、ロンドンを離れられないホームズの代わりにワトスン博士が1人でダートムアに調査に向かう。バスカヴィル家の召使やその地域に隠れている脱獄犯、昆虫学者の兄とその妹等の複雑な人間関係が絡み、さらなる犯罪事件に発展していく。 事件の舞台はダートムアの湿地帯であり、伝説の魔犬とともに不気味な雰囲気がよく合っている。2部形式ではないが、ホームズは最初と後半のみの登場で、前半の調査の主役はワトスン博士であり大変珍しい構成になっている。
バスカヴィル家の犬の評価
バスカヴィル家の犬の感想
正真正銘のシャーロック・ホームズ物の本格長編ミステリの傑作「バスカヴィル家の犬」
シャーロック・ホームズのもとにモーティマー医師という人物がたずねてきた。彼はバスカヴィル家の後見人であり、とある伝承に悩まされているというのである。彼が言うには、先代となってしまったバスカヴィルが、ダートムーアの地に伝わる魔犬によって殺害された疑いがあるのだと・・・・・・。そして、バスカヴィルの家系をたどって、新たなバスカヴィル家の当主を迎え入れる事になったのだが、どうすればいいかホームズの助言をもらいたいというのである。とりあえず、新たな当主を迎え入れる事になったバスカヴィル家。しかし、その当主にさまざまな怪しい出来事がふりかかり--------。シャーロック・ホームズの長編の中では(といっても四編しかないのだが)群を抜いて優れた作品と言えると思う。先に読んだ「緋色の研究」「四つの署名」に関しては、基本的には短編を長編の形式に引き伸ばしただけというふうに感じられた。しかし、この「バスカヴィル...この感想を読む
推理小説からサスペンス小説へ
バスカヴィル家の犬は推理小説というよりはサスペンス・ホラーのような作品だと思いました。「霧」や「底なし沼」、「ホームズのいない館」となんとも不安な要素がいっぱいです。映像にしたらナイト・シャラマンのホラーのような世界になりそうです。あと、冒頭の事件の導入部分で、おきまりのコンビ漫才みたいなのが安定の面白さです。あるステッキについて、持ち主を推理しますが、ホームズに持ち上げられて落とされるワトソン、ちょっとかわいそうです。ほめているつもりなのかもしれないけど、僕の引き立て役になってくれてありがとう的なセリフがあって、上から目線度が半端なくて良いです。