かっこ悪くも懐かしい学生時代を思い出す作品
3月から始まる1年のストーリーこの作品は、3月から始まり2月に終わる小さな物語が集まった作品だ。かといって完全な短編でなく、大学時代のグループを形成する4人のそれぞれの立ち位置で書かれている。こういう構成の作品は楽しめるものが多い。同じ出来事でも、一人から見た感じ方と、また別の一人から見たその感じ方があまりに違うことで物語に奥行きを感じるし、それぞれの相関図も想像しやすかったりするからだ。本の裏にあらすじが書いてあるのだけど、その中にこの本は青春小説と紹介されていた。そしてその言葉がぴったりだなと思えた作品だった。充留と重春のカップルの場合大学のグループメンバーである充留とその恋人は、どこか平凡な他の3人に比べて少し垢抜けて都会的だ。充留は、毒舌と評価されながら文筆業を生業とし、金銭的にも成功している女性だ。8歳年下の恋人は定職にはついていないながらも、充留のご飯を作ったり癒しを与えて...この感想を読む
3.53.5
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