残り全部バケーションの評価
残り全部バケーションの感想
結末を決定づける伏線があった!
なぜ、ご想像にお任せなのか?伊坂幸太郎さんの残り全部バケーションは、短編を通してストーリーがうまく繋がっている。伊坂さんの作品でよくある構成だが、登場人物のリズミカルな会話が実に気持ちよく読みやすい。そして、世間的には決して立派とは言えない仕事をする人たち。この設定も伊坂さんの作品には多く、だけれどゆるい雰囲気の溝口や余計なお節介をしてしまう岡田は憎めないキャラ。岡田を裏切ってしまった罪悪感、後悔から溝口には毒島への復讐を企てるがどんな結末を迎えたのかは読み手のご想像にお任せスタイル。そういうの、好きなほうだけれど深読みせずに最後まで読んだら、自然とハッピーエンドを想像してしまうだろう。しかし、この作品の結末はバッドエンドと考えるほうがいい。最後の溝口と毒島のカケでは、食べ歩き日記の更新者が岡田かどうかだ。多くの人は岡田であってほしいと望み、受信したメールは岡田だと想像するでしょう。岡...この感想を読む
まず、タイトルからして素敵。
まず、タイトルがイイ!「残り全部バケーション」人生の残り全部バケーションみたいなものだなんて、素敵な響きです。5つの短編が脈絡のない展開に見せかけといてモヤモヤさせてくれますが、それぞれの伏線が少しづつ繋がり、最後はスッキリ!おまけにラストは希望を持たせてくれます。読んだ後、ほっこりとした余韻に浸れました。伊坂ワールド、相変わらず見事です!そして、今回は岡田という愛すべきキャラクターが登場。彼は小悪党なことしてるわりには、ゆるーい感じのイイ人。「ポテチ」の私立探偵、黒澤並みに愛すべきキャラになれそう。スピンオフでもいいので、是非とも岡田の作品を読みたいです。