ああ無情のあらすじ・作品解説
「ああ無情」は、1862年ユーゴーにより書かれた小説「レ・ミゼラブル」の日本語タイトルの一つである。1902年黒岩涙香による翻訳が本タイトルで発表され、知られることとなった。日本語完訳が、岩波文庫・新潮文庫等から発行されている。 この物語は、革命期のパリを舞台に主人公ジャン・バルジャンの生涯を書いたものである。姉の子供に食べさせるパンを盗んだがために、19年間牢獄に入れられたジャン・バルジャンは人に対して憎悪を向けていたが、司教ミリエルとの出会いにより改心し、市長として市民のために働き、やがてコゼットという孤児の少女を本当の娘のように育てるようになる。彼の素性を知った者やコゼットの恋人からの迫害に遭いながらも、最後には愛する人に見守られながら幸福を噛みしめて天国に旅立ち、人生の幕を閉じる。 2015年までに、ミュージカルや映画、テレビアニメ、宝塚歌劇など、多様なジャンルで映像化されている作品である。
ああ無情の評価
ああ無情の感想
驚かされるジャン・ヴァルジャンの生き方
葛藤こそがドラマの源となるレ・ミゼラブルは、舞台や映画で何度も上演されている名作、日本題では「ああ無情」と付いていましたが、最近ではほとんど「レ・ミゼラブル」で通っています。レ・ミゼラブルというと格好いいですが、私としては「ああ無情」という日本語の題名の方が、心に響きピッタリだと思います。あまりこの題名を使わなくなってしまったので、残念な限りです。こうしようと思ったことが、思うようにならないという葛藤こそが、ドラマの源になっているのだと「レ・ミゼラブル」を読んで思います。もしもジャン・ヴァルジャンに何の障害もなく人生を送っていたとしたら、人の痛みもわからず、神父の気持ちも感じる事なく生きて行くでしょう。それは、ジャン・ヴァルジャン以外の人物にも言える事です。ジャバールにとっては、ジャン・ヴァルジャンが障害であり、フォンティーヌにとっては遊ばれた男や預けてしまった事が、自分とって障害とな...この感想を読む