シャーロック・ホームズの冒険のあらすじ・作品解説
シャーロック・ホームズの冒険は、アーサー・コナン・ドイル作のホームズを主人公とするシリーズの中では、最初の短編集である。雑誌のストランド・マガジン社で1891年7月号から翌年の6月号にかけて連載され、挿絵はシドニー・パジェットが担当している。ジョージ・ニューンズ社より1892年の10月に発行され、12編が所収されている。 ボヘミアの醜聞では、ホームズが生涯に渡って尊敬し愛する女性、アイリーン・アドラーのことが書かれている。また、5粒のオレンジの種や花婿失踪事件のように、犯罪結社や非常な企みにも制裁を加えようとする厳しさに反して、独身の貴族の事件の計画者達に、肉親のような優しさを見せ、ホームズの人間性が描かれている作品が載せられている。 なお、表題の付け方の違いで分かるように、作者は最初の6編で執筆をやめようと考えていた。しかし、連載の読者からの反響の大きさと高評価により、続けるようにストランド・マガジン社の関係者に説得される。原稿料を上げさせる条件を付け、連載を続行したと伝えられている。
シャーロック・ホームズの冒険の評価
シャーロック・ホームズの冒険の感想
アイリーン・アドラー女史
シャーロック・ホームズの冒険は珠玉の短編集です。名作ぞろいで、まさに冒険です。最初の「ボヘミアの醜聞」であのアイリーン・アドラーが出てきます。彼女の存在がホームズの女性蔑視を少しだけ改めるきっかけになるのが面白いです。こういう一目置かれる女性、かっこいいなと思います。他にも「赤髪組合」、「まだらの紐」など一般に名作として知られていますし、花婿失踪事件、花嫁失踪事件など、対比となるタイトルの作品が収録されていたりするのも面白いです。個人的にはやはり「赤髪組合」の「赤髪組合は解散した」というところが好きです。ホームズ、ワトソンともに吹き出してしまったのも納得です。