きずついたつばさをなおすにはのあらすじ/作品解説

傷ついた鳩と…

街の片隅。鳩が一羽、ビルにぶつかり落ちていく。小さな男の子ウィルの他は誰も気づかない、地面の傷ついた鳩。でもウィルは気づいたから、鳩を連れて帰ることにします。その冒頭の街の色づかいが主にグレーで、ウィルの存在だけが鮮やか。ウィルの行動を見ていた、一緒にいたウィルの母の少しの戸惑いに共感したり、でもスカーフに包んで連れて帰ってあげる様子には感心したりしてしまいました。私はどちらかといえばグレー側なのかもしれない。道端で倒れているのが人じゃなければ、ほっとくかもしれない。ウィル達が連れて帰る様子を、他の鳩３羽が見ているのが妙に印象に残りました。飛べなかった鳩を一家が大事にしている絵。沢山の会話が出てくるわけではなくても、父親も邪険になんかせずに３人協力してる様子がとてもいい。ウィルはいい大人に育ちそうですね。