模倣犯のあらすじ・作品解説
「模倣犯」は、2001年3月に小学館から発行された、宮部みゆきによる長編小説である。 この小説は、ある連続殺人事件を様々な登場人物からの視点で書きながら、真犯人が判明するまでを、全3部構成で描いている。第1部では、事件の発生を被害者の第一発見者である塚 田 真 一をはじめ、被害者家族・捜査にあたる警察関係者の視点で書いている。第2部では、犯人・犯人と目された栗 橋 浩 美 と高 井 和 明、彼らの同級生ピースの学生時代と、犯行に及ぶまでの様子が書かれている。そして第3部では、事件の被害者・警察関係者の視点に戻り、事件を解明しようとセンセーショナルに登場した、犯人らの同級生である青年・ 網 川 浩 一 と、真犯人を突き止めようとするルポライターを中心に、真犯人追求のラストへ向かっていく。
模倣犯の評価
模倣犯の感想
ミステリーの女王、渾身の一作
宮部みゆきの代表作にして最高傑作のひとつ正直に言うと、私は宮部みゆきが好きではありませんでした。最初に読んだのが『レベル7』。最後まで読むことなく本を閉じてしまったほど、「自分とは合わないな」と感じました。しかし、「後味の悪い作品」「どんでん返し」が大好きな私は、友人の勧めにつられて『模倣犯』に手を伸ばすことになったのです。そしてこの作品を読んで、直木賞や山本周五郎賞を受賞するほどの実力が間違いなく彼女にあることを実感しました。ファンにとっては言わずもがなですが、1986年のデビュー以降『火車』『理由』など数々のヒット作を生み出してきただけでなく、2013年には『ソロモンの偽証』が映画化するなど、いまだ衰えを知らぬ女流ミステリー界の第一人者です。それも、女性ミステリー作家10人に石を投げれば2~3人に当たるような「日本のアガサクリスティ」レベルではなく、彼女自身が一つのジャンルになるような偉大な作家...この感想を読む