チープな密室殺人ミステリー
都合よく進みすぎな感じが否めない物語この本は全部で4つの短編が収められている。その全てが密室での殺人をテーマにしており、すべてに共通する登場人物が謎解きをしていく形になっている。そしてそれはどのように犯人が犯行を行うことができたのかを考えるのがメインになっていて、犯人が誰かと推理させることはあまり重きをおいていないように感じる。これはミステリーとしては致命的ではないだろうか。読み手は犯人が誰かと想像しながら読み進めるので、それがストーリーの中で早めに分かってしまうと読み進める原動力が弱くなってしまう。もちろん密室での犯行トリックには興味はあるけれど、それは「犯人は誰か」「どうやって犯行に及んだのか」のこの二つを同時進行してこその魅力だと思う。また死体を発見するのもなにかご都合主義というか、なぜいつも「妙な胸騒ぎ」がしたり、「何か悪いことが起こったと直感」したりするのかがわからない。この...この感想を読む
1.01.0
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