たそがれ清兵衛のあらすじ・作品解説
「たそがれ清兵衛」は、山田洋次が監督を務めた日本映画である。原作小説は藤沢周平による同タイトルの短編作品と、「祝い人助八」「竹光始末」だが、設定等で異なる点もある。真田広之、宮沢りえらが出演している。時代設定が幕末ではあるが、舞台が庄内地方ということで、映画製作にあたって必要な資料が揃いにくい題材だったこと、そしてそれによる映画製作上の制約の多さを山田監督が明かしている。 井口清兵衛(真田広之)は海坂藩で御蔵役の職に就いているが、終業の刻の以降はすぐさま帰宅し、さらに内職や家の用事に忙しい日々を送っていた。借金や、亡き妻の遺した娘が2人に加え老いた母親の面倒を見なくてはならないためであり、貧しい暮らしであった。しかし、清兵衛がある日家に帰ると、飯沼朋江(宮沢りえ)の姿があった。朋江は美しい清兵衛の親友の妹で、夫だった甲田豊太郎による暴力などが理由で離縁を経ていた。甲田の逆恨みなどを清兵衛が解決して以降は平穏だった朋江や家族との生活も、藩の後継者争いが発生したことで波乱が訪れ…。
たそがれ清兵衛の評価
たそがれ清兵衛の感想
日本人の良い心が感じられる映画です。
山田洋次原作の時代劇。主人公の井口清兵衛は妻を亡くし、2人の娘と痴呆の母と暮らす侍。黄昏時に仕事を終えると、真っ直ぐに家に帰り、家事と内職に勤しんでいたため、同僚たちはそんな彼を「たそがれ清兵衛」と呼んでいた。貧しい生活をしながらも、実直に生きて娘の成長を喜びにしている清兵衛を見ていると、心が温まります。昔の日本人の多くが、このような生活をしていたんだなと、しみじみとしてしまいました。清兵衛が斬り合いをするシーンは、大げさな派手なアクションはないけれど、動きの美しさや演出が素晴らしく、とても緊張感がありました。絵的には地味で、派手な映画では決してないですが、心に沁みる良い作品です。
上等の時代劇
普通は邦画はあまり観ないのに、誘われてなんとなく観た作品でしたが、とてもよかったです。真田博之・宮沢りえ2人とも実力のある俳優さんだと思います。勧善懲悪の娯楽時代劇とは違い、その頃の下級武士のつつましい生き方が丁寧に描かれています。運命に抗えない哀しさもあり、すべての感情をあらわにしないその生き様には清々しさも感じるところです。上意射ちの場面、私の勘違いでしょうか、討たれる立場の相手がチラッと鴨居の高さを確認するかのような目線があったと思います。なのに、彼は振り上げた自分の刀を鴨居に引っ掛けて討たれてしまうわけですが、自分と同じ立場の清兵衛に同情し、自分を討つのはこの人にしてもらいたいと思っていることをあらわす場面と思っているのですが。ナレーションで語られる、その後のお話も胸を打たれるものがあります。
通常の時代劇とは異なり
テレビの人気の時代劇というと、大抵が「外に向かう」傾向というか、悪代官の征伐や、犯罪を取り締まったり、派手なチャンバラなどが多いです。本作は確かに刀を使います。立ち回りに類することも出てきます。しかしベクトルとしてはむしろ武士という武を体現した職業の中で、恋や内側のこころといったものが中心となって動いてるような気がします。そのために類型的な時代劇や、新選組、忠臣蔵、一連の黒澤明なの映画などで得られる感覚を期待してみてしまうとちょっとずれるかもしれません。むしろ「寅さん」シリーズを制作した監督が作った時代劇、藤沢周平の小説の作風が下敷きになってると思えば想像できるものがあると思います。そちらを志向した時代劇お思ってもらえば良いでしょう。
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