恋のエチュードの評価
恋のエチュードの感想
ベル・エポック(良き時代)を背景に見事にクラシックな映像美の香りがむせかえる、悲痛な恋の物語
このフランソワ・トリュフォー監督の「恋のエチュード」は、悲痛な恋の物語だ。一人の男を愛してしまった姉と妹。いや二人の姉妹の間に立って心揺らぎ、そのどちらとも愛を交わした青年の話だ。だが、彼のエゴを、彼を不実だと、どうして責められよう。やがて彼は、老いと孤独の深い罰を背負い、帰らぬ青春をかなたに、ひとり立ちつくすのです。母親同士が旧友であったことから、フランス青年クロード(ジャン=ピエール・レオ)は、アンヌ(キカ・マーカム)と、ミュリエル(ステーシー・テンデター)のイギリス姉妹を知ることになります。最初パリへ出て来て、ひそかにクロードに惹かれたのは、慎み深い姉のアンヌだが、彼女は眼を病んで、感受性が鋭く自閉的な妹を思いやり、恋のしあわせを譲りたいと願うのです。そのお膳立てでイギリスを訪れた彼は、出会ったミュリエルと恋に落ちるのです。けれども母親の反対で結婚を一年先に延ばされた青年は、パリへ帰って...この感想を読む
青春の光と影を描く
青春の光と影を描いたフランソワ・トリュフォー監督の、ノスタルジックで古いメロドラマののスタイルで描く恋愛映画です。映像が画面の周囲からだんだん円形になって暗くなるシーンを多用しているところなど、サイレント映画を観ているような気になります。しかしネストール・アルメンドロスのカメラのカラー映像の美しさは特筆すべきです。夾雑物が取り除かれた純粋な画作りを観るだけでも、この映画を観る価値があります。ジャン=ピエール・レオと2人の女性を巡っての愛の物語は、悲しく痛ましいけれども、何故かいつものトリュフォー監督映画とは違う愛の物語になっています。眩しいくらいの美しい風景の中で、純白のドレスの姉妹が自転車を走らせるシーンなど、見どころが詰まった作品です。
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