ピアニストを撃ての評価
ピアニストを撃ての感想
トリュフォー監督によるフィルム・ノワール
1940年代にハリウッドで作られた、フィルム・ノワールというジャンルの犯罪映画を思わせる、暗い画面が印象的です。 撮影はラウール・クタールが担当。かつては将来を約束された天才ピアニスト・シャルリーを、歌手のシャルル・アズナヴールが見事に演じています。暗い過去を持つシャルリーは、人生と自分に絶望しているピアニスト。普段は自分の殻の中に閉じこもっていながらも、一旦事件に巻き込まれてしまうと、愛やヒューマニズムのために果敢に悪に立ち向かうアメリカンヒーローとは違い、いざこざに巻き込まれないように逃げてゆくという暗く、無表情なシャルル・アズナヴールの演技が印象的です。特に事件の後、何事もなかったかのようにピアニストとして酒場に戻るところは、ラストシーンとしても見事です。
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