裏窓のあらすじ・作品解説
裏窓は1954年に公開されたサスペンス映画である。 アルフレッド・ヒッチコック監督がウイリアム・アイリッシュの同名小説を映画化し、ジェームズ・スチュアートやグレース・ケリーといった当時ヒッチコック監督のお気に入りだった2人が共演している。 サスペンススリラー作品としては非常に名高いものであり、アメリカ映画ベスト100にも40位台にランクインされている他、KINE NOTEでの平均評点も80点と高得点を得ている。 第27回アカデミー賞にも監督賞を含む4部門にノミネートされ、グレース・ケリーは第20回ニューヨーク映画批評家協会賞で主演女優賞を受賞している。 他共演者はセルマ・リッターとウェルデン・コーリー。 この作品はニューヨークのとあるアパートで事故で足を骨折したカメラマンが退屈しのぎに愛用のカメラで裏窓から隣のアパートの住民達の人間観察をしていたところ、喧嘩が絶えなかったある一組の夫婦の異変から殺人事件と確信して恋人と看護師の協力を得ながら確たる証拠を集めていこうとする内容である。
裏窓の評価
裏窓の感想
主人公ジェフの深層心理に潜む、出口のない囲いに感じるスリリングな戦慄「裏窓」
ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジに住む報道カメラマンのジェフ(ジェームズ・スチュアート)は、カーレースを撮影中に脚を骨折し、6週間も車椅子の生活をしている。退屈のあまり裏窓から、向かい側のアパートの部屋を覗いていると、ある雨の夜、住人のセールスマンが、トランクを持って3度も出入りする。そして翌朝、長患いをしているその妻が、消えていた。ジェフはセールスマンが妻を殺したに違いないと推理する-----。このサスペンス・スリラーの神様アルフレッド・ヒッチコック監督の「裏窓」は、怪我をしてギブスをはめたカメラマンのジェフが、退屈しのぎに裏窓から向かい側のアパートを覗き続けているシーンから始まります。普通なら、本を読むとか、ラジオを聴くとか、恋人がいるのだから、彼女と時間を過ごすとかするのだろうに、どうもこのジェフという人間が、ひたすら「見る」ことにこだわってしまうのは、対象を視覚で捉えるカメラマンとい...この感想を読む
”のぞき見”をテーマに、サスペンス溢れる演出で!
水曜日の朝から始まって、土曜日の夜にクライマックスを迎え、エピローグの日曜日の朝で終わるといった物語になっています。ほぼセット撮影で行われているにもかかわらず、時間の推移を空の色や光の具合などで表現しているところは見事です。エレガントなグレイス・ケリーと、都会的な雰囲気を持つジェームズ・スチュワート。両者ともに、何度もヒッチコック作品に出演しているだけに、安心して観ていられます。主人公・ジェフが足を動かせないという設定も、犯人に襲われたときにどうなるのかとハラハラさせられます。外で起こる出来事(殺人や恋人のリザが犯人に襲われそうになる)も自分では何もできないといういら立ちを覚えてしまうところも、観ている側にさらにサスペンスを高めてくれています。