オルフェウスの窓のあらすじ・作品解説
オルフェウスの窓は、あのベルサイユのばらで知られる池田理代子が描く長編漫画である。 この漫画は1975年から週刊マーガレットの4号と5号から32号まで第一部が一年間掲載され、その後1977年から月間セブンティーンの1月号からその連載の場を移動し、1981年の8月号まで連載された。 この漫画のあらすじは、20世紀初めのドイツの音楽学校で出会った、若者三人の運命と青春群像を通し、実際にこの時代に起きた第一次世界大戦やロシア革命などの史実を交えながら、劇的なストーリーが展開されていく。 舞台もヨーロッパの各地にわたり、3人が出会った音楽学校のあるレーゲンスブルク、オーストリアのウィーン、ロシアのサンクトペテルブルクなどの、数々の劇的な出来事のあった場所で話が展開されている。 この漫画は大きく分けて4部で構成され、その部ごとにその舞台も移っていくのが特徴である。番外編にはコラージュ、オルフェイスの窓外伝などがある。
オルフェウスの窓の評価
オルフェウスの窓の感想
10年後にもう一度読んでみたい作品です
時間、国を越えた愛の形池田理代子さんの作品が好きで何となく読んでみたらはまってしまった作品です。ベルサイユのばらもシリアスですが、その上をくるようなシリアスなお話です。オルフェウスの窓とは何か?まず、この物語ではとあるドイツ(レーゲンスブルグ)の聖セバスチャン音楽学校の1つも窓にまつわる言い伝えからはじまります。その言い伝えは、その窓からを通して出会った2人は恋に落ち、オルフェウスとエウリディケのように引き裂かれるというもの。そして、沢山の人がこの窓で出会い引き裂かれていきます。主人公のユリウス・フォン・アーレンスマイヤもその母も友達も…でも、みな悲しいだけの感情で亡くなっていないのが印象的でした。池田理代子さんの描く漫画では『男装の麗人』が登場するのが特徴ですが、この漫画でも例に漏れません。美しい男装の麗人である主人公のユリウスですが、ベルサイユのばらのオスカルとは違い性別が女性である...この感想を読む
レーゲンスブルクの音楽学校にある窓
ドイツ、レーゲンスブルクにある音楽学校に、オルフェウスの窓と呼ばれる窓があります。その窓から下を見たときに視界に入った人と必ず恋に落ち、その恋は悲恋に終わるという言い伝えがあります。女であることを隠して、アーレンスマイヤ家の跡取りとして育ち、この学校に入ったユリウスは、同じ日に転入してきたイザークと、上級生のクラウスと、それぞれオルフェウスの窓で出会ってしまいます。このマンガは4部に分かれていて、その導入部分と言えます。しかしとても長くて、人がたくさん死ぬし、読破するのは結構大変です。マンガじゃなかったら全部読めなかったと思います。ベルばらもそうだけど、池田理代子氏はすごい人だなと思います。
運命の愛が最も美しく見える巻
オルフェウスの窓の愛の伝説によって魅かれあう主人公ユリウスと音楽学校の先輩でロシアの革命家であるクラウスの思いのたけ、純粋な愛の美しさが描かれる『オルフェウスの窓』の中でも屈指の名巻です。クラウスはユリウスへの想いを断ち切りロシア革命運動に身を投じる決心をし、レーゲンスブルクを去りロシアに旅立とうとします。その情報をつかんだユリウスはクラウスに一目会うために、クラウスの乗っている汽車を馬で追いかけます。汽車に追いついたものの、クラウスの目の前で落馬してしまうユリウス。それを見たクラウスは汽車から飛び降りユリウスを助けます。そしてお互いの想いを確かめ合う二人。しかし激動のロシアには連れて行けないとユリウスを突き放すクラウス。この概説はこの巻の前半部分だけですが、この部分だけで涙がこぼれる美しいシーンの連続です。ひたむきなユリウスの想いと、ユリウスを気づかってあえて突き放すクラウスの想いが...この感想を読む