シャーロック・ホームズが登場する最初の長編「緋色の研究」 - 緋色の研究の感想

理解が深まる小説レビューサイト

小説レビュー数 3,358件

緋色の研究

4.304.30
文章力
4.25
ストーリー
4.13
キャラクター
4.63
設定
4.38
演出
4.25
感想数
5
読んだ人
6

シャーロック・ホームズが登場する最初の長編「緋色の研究」

4.04.0
文章力
4.0
ストーリー
4.0
キャラクター
4.5
設定
4.0
演出
4.0

戦争から帰ってきたワトソン医師は、友人の紹介により、シャーロック・ホームズという男と共同で部屋を借りる事となった。そのホームズ氏というのが奇妙な人物で、普段は何を仕事としているのかが全くわからない。しかも彼は妙に鋭い洞察力を持っていたのであった--------。


この作品をきちんと読み通したのは、2回目くらいになるかと思う。ただ、ホームズとワトソンの出会いの部分は、もう幾度となく読んだような気がするので不思議なものだ。この「緋色の研究」は、それくらい有名な、シャーロック・ホームズが登場する最初の長編なのだ。

この作品では、ワトソンがホームズと出会い、二人が共に同じ家に住むようになるくだりから始まっていく。そこでワトソンは、この奇妙な同居人に対して分析を試みるのであるが、これこそが、この作品の一番の見所であろう。実はこの作品こそが、一番ホームズに対する分析、そして詳細事項がきちんと描かれている本といえるのではないだろうか。

それから、ようやく事件に入っていくのだが、事件自体は短編にしてもおかしくないくらいの分量である。そこに第2章という犯人側の視点から、なぜ復讐が行われなければならなかったのかを示す物語が描かれている。

純粋に推理小説としてだけを望むのであれば、このパートは邪魔だともいえる。ただ、読みやすい物語になっているので、それなりに楽しんで読むことはできる。前回読んだ時はよく覚えていなかったのだが、今回読んだことにより、モルモン教徒による出来事が中心に描かれているということに気づかされる。ここに書かれていることが、どこまで史実をなぞらえたのかはわからないが、興味深く読めることは確かである。

そして肝心のシャーロック・ホームズの推理についてであるが、この作品では推理というよりも、科学的な分析に頼るところが大きい作品となっている。ホームズお得意の職業当てをひけらかし、一見いかにも推理に重点がおかれた作品のようにも見えるのだが、事件の謎を解く際には、ほとんどが科学的な分析によるものとなっている。とはいえ、犯人を捕まえる劇的なシーンとか、ホームズが警官たちの無能ぶりをあざ笑うかのように、的確に真相へと近づいていくくだり等、見所は多く挙げることができる。

総合的に見てみると、ホームズ登場の作品としては、なかなか良いできに仕上げられた作品といえるのではないだろうか。とはいえ、シャーロック・ホームズの作品に触れる際には、この作品から入るよりも、先に「シャーロック・ホームズの挨拶」から入り、その後に、この長編を読んだほうが良いのではないかと思う。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

他のレビュアーの感想・評価

ホームズとワトソンが出会う第一作

アフガニスタンの戦争で負傷して帰国した医学博士のワトソンが、下宿の同居人を求めて風変わりな男、ホームズと出会います。その出会いと親しくなるまでの話から、ホームズの特異な推理能力、独自の知識、観察眼などを知るにいたります。そしてホームズに来る事件の相談に助手として関わることとなり、事件に首を突っ込む展開になり、後のホームズ物語の原型が出来上がっています。本作は男があばら家で殺害され、壁に謎の血文字が描かれ、女の結婚指輪が残されていたという事件です。ホームズが独自の推理と行動で犯人を突き止め、逮捕するに至ります。そこから第二部の過去のアメリカでの因縁話が語られます。逮捕するまでの一連の行動は短編とも通じますが、第二部はアメリカの開拓地を舞台にした小説の影響を受けたとも言われ、少し冗長な面もあります。ですがホームズ物の第一作として基本的な設定が固められたものとして必読ですし、物語も全体的に読...この感想を読む

4.04.0
  • yukigenoyukigeno
  • 200view
  • 406文字

感想をもっと見る(5件)

関連するタグ

緋色の研究を読んだ人はこんな小説も読んでいます

緋色の研究が好きな人におすすめの小説

ページの先頭へ