日の名残りのあらすじ/作品解説

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日の名残り

4.384.38
文章力
4.38
ストーリー
4.25
キャラクター
4.50
設定
4.50
演出
4.38
感想数
4
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日の名残りのあらすじ・作品解説

日の名残りは1989年に出版されたカズオ・イシグロの小説で、同年にイギリスの文学賞であるブッカー賞を受賞した。 物語の主な舞台は20世紀前半のイギリスで、執事スティーブンスの視点から物語は語られる。 スティーブンスはダーリントン卿の下で長年執事として働いていた。だが、ダーリントン卿の死後売りに出されたダーリントンホールは他人の手に渡り、今では彼は屋敷を買い取ったアメリカ人富豪のファラディ氏に仕えている。小説の冒頭は1956年、スティーブンスが今の主人から短い休息をもらい、旅に出るところから始まる。 旅の目的のひとつは、昔ともに働いた有能な仲間、ベン夫人をスカウトすること。少し前に彼女からは昔を懐かしむような手紙が届いていた。人手不足に悩まされていたスティーブンスは、ベン夫人が戻ってくれれば屋敷を切り盛りできるのではないかと考える。 旅をしながら、スティーブンスは元の主人や昔のスタッフと分かち合った、ダーリントンホールでの出来事を思い出していく。

日の名残りの評価

総合評価
4.384.38
(4件)
文章力
4.384.38
ストーリー
4.254.25
キャラクター
4.504.50
設定
4.504.50
演出
4.384.38

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日の名残りの感想

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一執事の視点から見る大英帝国の黄昏

大英帝国の黄昏カズオ・イシグロの長編小説『日の名残り』は、イングランド南部を舞台に、第2次世界大戦後からスエズ動乱までの期間を、貴族の屋敷に執事として務める主人公スティーブンスの語りで描いた物語である。すなわち100年以上世界一に君臨したイギリスが、その座をアメリカとソ連という新たな超大国に明け渡した時期、大英帝国の黄昏時を、帝国の象徴たる貴族に仕えた執事の視点で描いた、大英帝国の衰亡史とも言える内容である。故にこの小説を本当の意味で楽しむには、イギリスの歴史の知識が必要であろう。イギリスは、18世紀末から19世紀の産業革命期を経て、多くの海外植民地を獲得し、ヴィクトリア女王の治世(1837〜1901年)において、政治・経済共に世界一の国として繁栄した。帝国の威光を国民は享受し、貴族、中産、労働者の3大階級が生まれるなど、現代にもつながるイギリスの根幹が出来上がった。しかしながら2つの大戦を経て、帝国の威...この感想を読む

5.05.0
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