福士蒼汰くんの役はハマってた - ストロボ・エッジの感想

理解が深まる映画レビューサイト

映画レビュー数 5,784件

ストロボ・エッジ

4.174.17
映像
4.33
脚本
4.00
キャスト
4.50
音楽
4.17
演出
4.17
感想数
3
観た人
4

福士蒼汰くんの役はハマってた

3.53.5
映像
4.0
脚本
3.5
キャスト
3.5
音楽
4.0
演出
3.5

目次

仁菜子が第一段階の告白するまでも大事なんだが

恋を知らない高校1年生の仁菜子。電車で落としたケータイを踏まれちゃうというアクシデントをきっかけに、蓮と仲良くなっていく。そしてその気持ちが恋だと気づき、近づきたいとがんばるが、蓮には彼女がいるのだと知ってしまう…

ストロボエッジの原作を知っているだけに、最初の出会いから、恋を知らない仁菜子が蓮に恋していくまでの過程が一足飛びで、少し残念だった。大樹の告白については、俳優が許せなかったのもあるんだが、サラッとしていてなんかなー…大樹が仁菜子大好きな感じや、大樹が仁菜子にフラれた後に仁菜子の親友とうまくいく話とかは、カットされてたからね。2時間の映画にまとめるなら、確かに蓮・仁菜子・安堂に絞ったほうがいいから仕方がないだろう。

片想いの相手に彼女がいても、好きな気持ちは持っていてもいいですか…?フラれても、好きでいたいしそばにいたい。それは、いつか自分に振り向いてくれるかもしれないっていう淡い期待だったのか、それとも単純にそばにいられなくなることがつらいからなのか…よくわからない仁菜子だったけれど、蓮と仲良くなるたび、欲張りになっている自分に気づいてしまう。蓮くんのことを大好きだという気持ちが、どんどん大きくなって止まらないんだよ。もっと笑っていてほしいと思うの…「最強の片想い漫画」と表現されているが、まさしくそうだろう。想いを告げてからですら、気まずくなるよりそばにいたいと願った仁菜子。それは、まんざらでもない蓮がそこにいたから成り立ってたことなんだけどね。

蓮のデススマイル描写はなし

蓮が頻繁に笑っている…笑ったらみんなが虜になってしまう、そんな蓮のデススマイルの表現はなかった。蓮は学校の一番人気のクールな男の子。彼女もいるし、誰にも振り向かない。だけど、木下仁菜子にだけは振り向くんだ…。その時の福士蒼汰くんの笑顔といったらもうとろけるレベルで好きだ。ちょ…ちょうどいい。彼は本当に愛され男子だと思う。蓮のイメージにしっくりくる、笑ったらハートを間違いなく射貫ける男子である。

蓮はクールぶってるけど、かわいいもの好きだよね。仁菜子がすげーかわいいから、恋しちゃったんだと思うんだ。自分ががんばらなくても、一生懸命自分だけを見てくれる仁菜子。好きになっちゃうわー…麻由香と別れたらもう大爆発であった。ちょいちょい気持ちは爆発してたから、麻由香への裏切りでもあったのは確かだろう。抱きしめちゃったり肩にもたれた仁菜子をそのまま眠らせてあげたり…漫画の中でのエピソードももっとほしかったけど、なかなかね…そんなイベントのあとに蓮の告白をさらっと断っちゃう仁菜子には本当にイラっときたけど、安堂のためだからね。好きだと伝えたら、傷つく人もいるんだと知った…って当たり前だ!好き同士しか付き合わないってことになってるんだからね!横取りなしなんだからね!

この映画のおかげで壁ドンが相当流行った。両手で壁ドン。実際やられると、相手が超絶なイケメンとか好きな相手でなければ恐怖でしかない。そしてぶかぶかパーカーをバックハグで袖まくり…わざわざそうしなくちゃならないくらい狭い場所でもないだろうが。蓮の気持ちはとっくに「仁菜子に嫌われたくない」って気持ちに変わっていたということだ。

安堂が許せない

蓮に恋する仁菜子に興味を持った安堂。安堂は…違う!山田くんじゃない!と言っておく。もう少しガリガリスタイルで、でもイケメンなの!違う!仁菜子に恋する安堂の行動は、原作に忠実でうまくできてはいるが、安堂と蓮の友情の部分が薄いと思う。蓮が安堂を大切に想う気持ちは、ストロボエッジの中では重要な要素。だからこそ、仁菜子が安堂の気持ちも考えて蓮に気持ちを伝えないと決めるんだもの。その部分でだいぶカットされているかなー安堂から蓮へ、もっと伝えてほしい憎まれ口があったよ。お互いに大切に想う気持ちが確かにあるってこと、強く感じられるようにしてもらいたかった。

物語の中で、仁菜子は安堂とキスすることになるんだけど、蓮とはしないじゃん。駅のホームで想いを伝え合って終わりじゃん。そこは安堂に花を持たせた形なの?これからいっぱいするだろうけど、仁菜子と蓮のキスも見たかったよ!!よく考えてみると、蓮にとっては麻由香は彼女だったけれど本当に「好き」な相手ではなくて。それなら、仁菜子と同じで初恋同士ってことだよね。それなら不用意に進むより、初恋をかみしめるように、抱擁するほうが仁菜子と蓮には合ってるのかもしれないね。そこまで考えられていたかは謎だ。

責任と好きの欲望

麻由香への「支えたい」と思う気持ちが、恋だったのかと言われたら、難しいところがある。そばにいたいと思う気持ちと、そばで守りたいと思う気持ちは同じような感覚だし、支えてくれる蓮を麻由香は大事にしていたと思う。ただ、麻由香が蓮を捨てれたのは、蓮の中にある心変わりを感じたからだけじゃなくて、自分が仕事に没頭して蓮を後回しにしていることに気づいてしまったこと、両親の離婚を理由に蓮を引き留めていた罪悪感のようなものもあったはずだ。その部分をさばいて麻由香が蓮を送り出したと言ってしまうと、蓮が悪い感じになるじゃん。麻由香の中での気持ちの変化も大事な要素のはずだから、前半削ってるなら安堂くらい細かく麻由香のこと出してもらいたかったな。まだまだ麻由香エピソードが足りないように思うよ。

蓮のように、同情と責任で自分を押さえつけることを付き合うことだと定義するのはよくないと思う。ただ、付き合っていくうえで相手のために行動することは間違っているわけではないし、それがちゃんと付き合ってないんだとも言えないだろう。そりゃー自分が自分らしくいられて、本当に愛していると思える相手であることも大切だけれど、我慢だって必要なんだよ。だから、蓮と麻由香が湧かれて、蓮と仁菜子が付き合うことは、どっちが悪かったわけでもなく、タイミングの問題であり、いずれにしろどちらを好きになるかは決まっていただろうと予測する。

がんばり方を間違えるな

自分に告白してくれた、安堂を傷つけることもあるんだ…いやいや、そうだよ!初恋知らずだからって、さすがにそれは理解しておけ!と言いたくなった。そんなおつむの弱い女の子は今どきいないだろう。

せっかく蓮が我慢しないことを覚えたのに、今度は仁菜子が我慢することを始めてしまうというすれ違い。安堂が背中を押してくれなかったら、仁菜子は蓮と付き合うことはできなかったね。がんばり方を間違えなくてよかった。安堂は蓮にとっても大切な友だちだったけれど、仁菜子にとっても本当に大事な友だちだね。安堂に振り向くことはないだろうが、安堂なら仁菜子の事を忘れてあげるんだろうなー…どこまでも優しい人。そんな人だから、きっと次はいい恋するよ!

片想いで告白できずに黙っているより、自分から正直に打ち明けられる人になりたいね。走って言いに行きたいくらいに、誰かに恋い焦がれて夢中になりたいよ。アクシデントをチャンスにした仁菜子は強運の持ち主であり、そして行動派の女の子だ。

有村架純さんのかわいい系の顔は好きなのだが、仁菜子の元気いっぱいのイメージはなかなかマッチしづらいものがあった。そこは福士蒼汰くんの蓮にカバーしてもらって、うまいことまとまった話になったと思う。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

他のレビュアーの感想・評価

ストロボ・エッジの実感的な感想。

ストーリー監督はあの話題作『100回泣くこと』など人間ドラマに定評のある作品を生み出した監督の廣木隆一さんです。咲坂伊緒の人気コミックを福士蒼汰&有村架純主演で高校生の切ない片想いの恋心を描いた青春ラブストーリーを映画化した作品です。電車の中で帰宅途中に、高校のクラスの中でひょんなことで人気者の一ノ瀬蓮「福士蒼汰」と知り合いになって、木下仁菜子「有村架純」と会話を交わすようになり、彼の笑顔や優しさにどんどん惹かれていき、彼に自分の好きだという思いを告白。でも、蓮には付き合っている年上の彼女の麻由香「佐藤ありさ」がいたため、その時はやはり仁菜子の告白を断るも、彼女の繊細な真っすぐな恋心の感情に触れ、のちに次第に感情や気持ちが変化していきます。初めて同級生に対し恋をしたという感情を抱いたヒロイン、彼は年上の女性と付き合っているという交錯していく複雑な思いがつづられる作品です。感想原作が素晴らし...この感想を読む

4.04.0
  • ゆちゃゆちゃ
  • 223view
  • 2327文字
PICKUP

『夏と秋の「におい」が半分になった』

『夏と秋の「におい」が半分になった』この作品の中で、一番印象に残ったセリフはこれである。なぜ印象に残ったのかというと、私も、「季節のにおい」を感じることがあるからだ。意外と、それを感じる人はいる。しかし、以外といない。高校時代に、季節のにおいがするね、と言って共感できた友達は1人しかいなかった。他のもう一人の子は、わからないという感じだった。なぜ、季節のにおいを感じる人と感じない人がいるのだろうか。私が、「季節のにおい」の概念を知ったのは母が、季節の変わり目に窓を開けた時に、よく口にしていたからだ。そもそも「季節のにおい」とは、具体的になんのことなのだろうか。パッっと、思いつくのは、気温。例えば、冬、前日まで寒かったが、急に気温が暖かくなる日などは確かに、春のにおいを感じる。他には、夏祭りの時も、夏の夜のにおいを感じる。この場合、虫の鳴き声、蒸し暑さ、屋台の食べ物の匂いなどが、夏の夜の...この感想を読む

5.05.0
  • りんごりんご
  • 2633view
  • 2002文字

関連するタグ

ストロボ・エッジを観た人はこんな映画も観ています

ストロボ・エッジが好きな人におすすめの映画

ページの先頭へ