ストロボ・エッジの実感的な感想。
ストーリー
監督はあの話題作『100回泣くこと』など人間ドラマに定評のある作品を生み出した監督の廣木隆一さんです。
咲坂伊緒の人気コミックを福士蒼汰&有村架純主演で高校生の切ない片想いの恋心を描いた青春ラブストーリーを映画化した作品です。
電車の中で帰宅途中に、高校のクラスの中でひょんなことで人気者の一ノ瀬蓮「福士蒼汰」と知り合いになって、木下仁菜子「有村架純」と会話を交わすようになり、彼の笑顔や優しさにどんどん惹かれていき、彼に自分の好きだという思いを告白。
でも、蓮には付き合っている年上の彼女の麻由香「佐藤ありさ」がいたため、その時はやはり仁菜子の告白を断るも、彼女の繊細な真っすぐな恋心の感情に触れ、のちに次第に感情や気持ちが変化していきます。
初めて同級生に対し恋をしたという感情を抱いたヒロイン、彼は年上の女性と付き合っているという交錯していく複雑な思いがつづられる作品です。
感想
原作が素晴らしくて私の期待度がとても高かったせいか、作品の世界観、心を打つ、あのシーンのセリフさえも、アニメ感激度と変わらず実写で観ると本当にやばくて胸キュンしました。
でもやはり原作読んでから行ったほうがより楽しめそうだなと思いました。
どこが連想させた「ストロボ・エッジ」「時かけ」かというと、このような種類の映画は盛り上げる為に三角関係にするのですが、女と男が結ばれている裏側では、必ず誰か悲しんだり(悲しんではないフリをする人もいるが)尾美としのりがいるのだなと思いました
また、アオハライドの時は原作の作品を追い求め過ぎていたため原作のイメージを壊してしまい軽くショックを受けてしまったけど、今回はコミックとは別物という目で観ようと肝に銘じて観ました。
でも、これは別物だと思って見ていたのでこの映画はなかなか良い作品だなと思えました。
蓮の年上の彼女、麻由香も本当にいい子で、どうしても漫画を読んでいると仁菜子の目線で読んでしまっているので最初の頃の麻由香には多少苛立ちを感じてしまうのですが、それでも蓮のことを思って、自分から別れを告げる麻由香が切なくなりました。
登場人物みんな本当にピュアでいい子達ばかりで、みんなの恋が上手くいくようにと応援したくなる物語です。
分かりやすくこの作品の良い点をざっくりまとめると
主人公は初めて同級生の男子を好きになる。
↓
でもその男子には年上の彼女がいました。
↓
その年上の彼女持ちの男子にした告白が失敗。
↓
でもその男子は年上の彼女と破局。
↓
主人公は他の男子に告白されるも断る。
↓
片思だったのがいつしか両思いになってハッピーエンドに終わる。
という起承転結な流れです。
また、学校遠足で行った鶴岡八幡宮の階段で転倒してしまい、泥まみれになってしまった仁菜子の洋服を一緒に洗うところ、蓮が背後に周りパーカーの袖をまくったり、彼女がいると分かっていながらも、溢れた気持ちがやっぱり抑えられずに仁菜子に蓮が告白するなど、女子中高生だけでなく、男子心も鷲掴みにされるのもこの作品の特徴と言えます。
少しの可能性でもいいから自分のことを好きになってくれるかもしれない、もし仮に自分を好きになってくれなくても、同じ空気を吸えるだけでも構わないという仁菜子は【恋する乙女】ということですが、老若男女に問わず片思いを経験したことがある人ならば誰もが共感できる作品だと思いました。
少し残念なところ
お気に入りのエピソードが、やはりミックスされていたり、シーンで袖まくりしてもらう場面では(袖クル)がトイレの手洗い場だったり
がっちゃんが出てこなかったり、桜のシーンがなかったり、団長の登場も体育祭のシーンがないため蓮くんのジェラジェラ(←嫉妬することです)もないので少しショックでした。
また、セリフの部分では各共演者のセリフが棒読みに聞こえることが結構多く感じとれる部分がありました。
例えば安堂が「蓮をそこまで思う気持ち、俺が全部消してあげる。すきだよ」と仁菜子に言うセリフや、両親が離婚したと麻由香に悩みを打ち明ける場面でも「おれが支えるから」というセリフも言葉だけを見ればとても素敵なのですが、それぞれぎこちない口調に聞こえてしまいました。
それに花火大会でのシーンでは、仁菜子を安堂が抱きしめた直後の花火が打ち上げるシーンがありましたが、半分しか花火が画面に映っていなかったところが残念でした。
せっかく感動できるシーンなのに、この2人に焦点を当てるのではなく全体の花火を綺麗に盛大に映していれば、もっと迫力のある良いシーンになったのではないのかと思いました。
まとめ
個人的な全体的評価は
★★★★☆(星5つ)
というところです。
この映画は有村架純、福士蒼汰のファンとして観て損はないと思います。
とても爽やかな純粋恋愛映画だと思いました。
よく観るこのような恋愛映画はラストシーンで、三角関係になった女の子を好きな主人公(男)の友人が最終的に、あえての悪キャラを演じ、主役の二人に恋愛を譲ってしまう行動になるのを定番な展開としてよくあるのですが、この映画には、その友人が悪キャラ人間を演じているところにヒロイン(有村架純)がそこで演技に気付いてしまうという定番化破りがあります。
このような純粋恋愛映画はなかなかと以外に斬新な展開が次々にあるのがまた面白いです。
すべてのことを急に知ってしまうストーリーの書き手側が前に出てきてしまったというヒロインの冷静さがここにあります。
個人的に思うことは、相手に嫌われるのが前提なら今時の優しい甘いキスシーンとかじゃなくて、もっとSっ気のある強引なキスシーンだったら乙女心をくすぐるもっと面白い作品になったのではないかと思いました。
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