モンローが輝くわくわく映画 - 恋をしましょうの感想

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モンローが輝くわくわく映画

4.04.0
映像
3.5
脚本
4.0
キャスト
4.0
音楽
3.5
演出
3.5

目次

斬新な着想

ある劇団で自分の事が風刺された演目が上演されると聞き、その稽古場に乗り込む先祖代々の大富豪社長という切り口での出だしが発端。ある意味、着想は斬新です。

そこで、オーディションを受けに来た人と勘違いされ、劇団員になってしまうという。これはよくあるパターンです。勘違いされる。ここで、劇団の花形、マリリン・モンローにに恋に落ちてしまうのもよくあるパターン。抜けられなくなります。

ところが、マリリンは、主役のトニーに夢中のように見えるので、何とかマリリンの気を引こうと、コメディ・音楽・ダンスの各先生を高額で雇い、魅力的な演技等の教えを請うのですがどうしても上手にできない。ついには劇団を買収し、思うままになったところで主役の座を奪うのですが、マリリンが悲しみ、社長は恋をいったんあきらめようかとします。こうしたところで、この時代の映画は良心を醸し出します。

誤解がストーリーをねじっていく

ところが、マリリンはトニーを愛しているわけではなく、ただ彼に役をあげたいだけと聞いて、社長は自分の素性をばらすのですが、マリリンに信じてもらえません。おつむが弱そうなマリリンの演技がなんなんだと言いたくもなります。そこで、最後の手として、上演を禁止させ、その説得に社長を訪れるようマリリンにけしかけて、初めて彼女はそれを信じるというオチですが、こういう構成はすきです。最後に相手の素性がばれるという形も映画としてはよくあるといえばよくあるのですけど。

でも悪い点も散見されます。イヴ・モンタンがモンローをゲットするために使うやり方ですね。特に主役のトニーを排除させることになるやり方はあまり印象がよくないです。根性悪の人っぽい。

モンローの輝きがすばらしい

総合評価では、この作品はとてもおもしろいと思います。その原動力になっているのが、マリリン・モンローの輝き、モンローの笑いを誘う間の取り方とセリフ回し、全編にわたってウイットに冨み、大笑いさせてくれる脚本になっていて、映像もとてもきれいです。

ミュージカルシーンのほどよい挿入も邪魔にならずに好感が持てました。脇役人の適度な関与と演技もまた良。イヴ・モンタンの演技(スローだけどいいやつ、という醸し出し)、イントロ部分のクレマン家の鉛筆スケッチ風の紹介の仕方の新しさ、物語が始まってから、すーっとストーリーが展開し始め、目が離せなくなるのは確実。極上のエンタメ映画でした。見ていてずっとわくわくするのは確かです。

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