ガス燈のあらすじ・作品解説
ガス燈は、1947年に公開されたアメリカ映画である。監督は、「マイ・フェア・レディ」「スタア誕生」「フィラデルフィア物語 」のジョージ・キューカー。出演者は、シャルル・ボワイエ、イングリッド・バーグマン、ジョゼフ・コットン。 原作は、パトリック・ハミルトンの戯曲。 グレゴリーとポーラは、ロンドンに住んでいる夫妻である。ある日、首飾りや時計が紛失し、その度にポーラは夫から盗み癖や物忘れが酷いと責められる。自分は盗んでいないはずなのに不安に駆られるようになり、ガス燈の灯りが暗く見えることにも怯えるポーラ。夫が正しくて、本当に自分がおかしいのかもしれないとノイローゼのようになっていくのであった。 巧みな心理描写で描かれているサスペンス映画である。 夫の言葉により少しずつ追いつめられていく妻を演じたイングリッド・バーグマンが、アカデミーとゴールデングローブ賞で主演女優賞を受賞。 アカデミー賞美術監督賞も受賞している。 「ガス燈」は1940年にイギリスでも製作されている。
ガス燈の評価
ガス燈の感想
美しい映像と女優が織りなす心理サスペンス
元々戯曲だったものを映画化した、イングリッド バーグマン主演の心理サスペンス。白黒ゆえの映像の美しさが際立つ映画で、イングリッド バーグマンの姿を観ているだけでも眼福なのですが、ストーリーもスリリングで古い映画ですがとても面白いです。夫の策略で「自分はおかしいのではないか」と不安に苛まれる妻の役をバーグマンが熱演して、アカデミー賞を受賞しました。バーグマンはあまり演技がうまくないと言われていましたが、この映画を観れば分かる通りそんなことはなく、とても表情豊かないい女優さんです。夫がいなくなるとガス燈が暗くなり、戻ってくる頃明るくなるという演出も巧いです。心理学用語の「ガスライティング」はこの映画(戯曲)から取られたそうです。