トパーズのあらすじ・作品解説
トパーズは1969年にアメリカで、1970年に日本で公開されたアメリカ製作のミステリー及びサスペンス映画であり、レオン・ユリス原作をアルフレッド・ヒッチコック監督が映画化した作品である。 なお、ヒッチコック監督にとっては「引き裂かれたカーテン」以来の監督復帰作であり、製作も兼任している。 (他製作共同者にハーバード・コールマン) 主演は「空爆大作戦」のフレデリック・スタフォード。 他共演者には「軽蔑」のミシェル・ピコリ、ジョン・ヴァーノン、ダニー・ロバン、カリン・ドールなどらがいる。 なお、ユリスの小説を脚本にしたのはサム・テイラー。 この作品は1962年の東西冷戦真っ最中のなか旧ソ連の高官だったクセのフがCIAの協力のもと妻子を連れてアメリカへ亡命するがクセノフの証言でソ連がキューバへミサイルを補給していることが発覚し、情報組織のリーダーであるデベロウがキューバへ家族とともに潜入することになるがその裏にはフランス人組織『トパーズ』の存在が明らかになるという内容である。
トパーズの評価
トパーズの感想
いつものヒッチコック監督のスパイ映画ですが・・・
緊迫化する東西両陣営の背後で、暗躍してゆくスパイの物語といえば、ヒッチコック監督の手に汗握るサスペンスと謎解きに溢れる演出が楽しみ・・・。と言いたいところですが、いささかこの作品は違っています。今までなら、いろいろな演出で盛り上げるような場面も、この作品ではほとんどそういったシーンがないのが残念です。またこれまでと違って主人公二人の男女も、スターらしさに欠けるキャスティングです。複雑に交差するストーリーと人物設定、現実味たっぷりの政治事情などいささか消化不良となってしまったのかもしれません。しかし主人公が次々と危険に巻き込まれてしまっているところなど、ヒッチコックならではの演出は健在です。