史上最悪の男・オラフ伯爵
極悪非道なオラフ伯爵
この映画は彼なくして語れません。そう、オラフ伯爵です。コイツは本当に冷酷なヤツで、この手の映画にここまで救いようのない極悪非道な人物が登場するのは珍しいです。あまりのクズっぷりにコイツ呼ばわりしてしまいました(笑)
ボードレール家の財産を狙い、三人兄弟を殺そうと企てるだけでは飽き足らず子供達の引き取り手になる人たちも次々と殺していきます。三人兄弟にとっては憎んでも憎みきれない存在でしょう。
視聴者から見ても憎らしいヤツには変わりないのですが、冷酷で計算高いクセに抜けていて何度企てても子供達に倒されてしまう間抜けなところが面白くてナゼだか嫌いになれません。
この憎ったらしいのに憎みきれないオラフ伯爵の魅力はジム・キャリーの演技力の成せる技だと思います。彼が演じるからこそ究極のヒール役をお笑いとして昇華できるのでしょう。
不幸に立ち向かう子供たち
ボードレール家の三人は裕福な家庭で育っていたにも関わらず、とても打たれ強いです。
自宅が火事にあい大切にしていたであろう全てのものが燃やし尽くされ、更には両親さえも亡くしてしまった。年端もいかない子供たちには辛すぎる現実です。しかも、やっと落ち着いたと思った先でもオラフ伯爵が現れ彼女たちの幸せを次々と奪っていくのです。
けれど、彼女たちは負けません!諦めません!
三人兄弟が身を寄せ合いながら、知恵を絞り強敵オラフ伯爵に挑んでいきます。観ていると、ついつい子供たちを応援して身体に力が入ってしまいます。
作中の大人たちは皆子供たちの必死の訴えを聞き入れません。こういうことは実生活でもよくあって子供の意見というのは総じて軽んじられがちです。しかし、子供目線だからこそ気付くことがたくさんあるのだから子供の意見にきちんと耳を傾けるというのは大切なことです。映画を通してこういう大人たちを客観的に見ることによって、自分はあんな風には絶対ならないようにしなければ!と肝に銘じました。
不幸を乗り越えた先に見えるもの
多くの困難を乗り越えて、ボードレール家の三人兄弟はオラフ伯爵を完全に倒します。そして、彼女たちに最高の贈り物が届きます。
事件は一段落ついたものの心配な点が残っていました。このままこの子達はどうなるのかな?いい引き取り手は見つかるのだろうか?色々な思いが駆け巡っていた時に届けられた郵便物。
本当に心底ホッとしました。それだけこの物語に感情移入していたってことですね。
これから先もこの兄弟が幸せであり続けるかどうかは分かりません。だって、姿をくらましたアイツがまたやってくるかもしれないんですから。
しかし、彼女たちは何度でも悪に立ち向かい乗り越えていくでしょう。
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