浮草の評価
浮草の感想
小さな旅回り一座をめぐる小津監督の小品
小津監督の作品は、同じストーリーや場面が繰り返し、繰り返し出てきます。この「浮草」も1934年の同監督作品「浮草物語」の再映画化です。南部の志摩半島の辺鄙な町に、小さな旅回りの芝居一座が12年ぶりに訪れるところからドラマが始まります。日本のカメラマンの中でも最も優れた宮川一夫(「羅生門」、「用心棒」、「雨月物語」)が撮影を担当していて、クローズアップをはじめとして、すべてのシーンが美しい。また京マチ子、若尾文子、川口浩など(大映で撮られているため)の出演陣のひとあじ違う演技を観るのも、楽しみの一つかもしれません。劇中で、旅回り一座が演じる芝居も愛情を持って描かれていて、非常に面白いです。
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