ブラインドネスのあらすじ・作品解説
ブラインドネスはジョゼ・サラマーゴの小説「白の闇」を映画化した2008年制作の心理パニック映画である。 ある日車を運転していた一人の日本人男性が突如視界が真っ白になり失明してしまう。彼は通りすがりの男性により自宅に送り届けられ、妻に付き添われて眼科医に診察を受けに行くが眼科医に原因は不明と告げられる。翌日,診察していた眼科医も失明してしまい他にも同じ病院で診察を受けていた人々など日本人男性と接触した者たちが次々と失明していく。各地で失明者は続出しており、この事態に不安を抱いた政府は緊急隔離政策をとり収容所を設置、失明者を強制収容する。唯一、なぜか失明を免れた眼科医の妻は夫を心配に思い失明者を装って収容所に入る。収容所では衛生状態の悪化、食糧不足など様々な問題が引きおこり、さらには第3病棟の王と名乗る男が独裁を始める始末。やがて独裁に耐え切れなくなった人々は反乱を起こし外へと出て収容所を後にするが、失明者ではない眼科医の妻は外の状況を目の当たりにするのである。
ブラインドネスの評価
ブラインドネスの感想
人間の剥き出しの本性が見える。
フェルナンド・メイレレス監督のパニック・ムービー。一人の日本人が突然原因不明の失明になる。そこから世界規模で感染が広がり、世間は大パニック、政府は患者を強制的に収容施設に隔離する。医師の妻は盲目のふりをして施設に潜り込むが、そこで彼女が見たものは地獄のような世界だった・・・よくある感染ものの映画ですが、失明の原因や解明などには全く触れられていません。この映画が訴えてくるのは、人間の剥き出しの本性の恐ろしさ。視力が奪われることイコール理性が奪われること。人間がいかに危ういバランスで創られているのかを痛烈に皮肉っています。現実にはありえない設定ですが、見終わったあとぞっとする作品です。
興味深い作品です
はじめは単純な細菌パニックモノなのかと手に取った作品だったのですが、実際に蓋を開けてみると、ちょっとしたシチュエーションスリラーを思わせるような、閉ざされた空間で引き起こされる様々な人間模様でした。単純なパニックものよりも、これはこれで新鮮だったのですが、出来としては正直今一つといったところです。この収容所、黒人や白人はもちろんアジア系からラテンといった多種多様な人種の人たちが閉じ込められて、狭いながらも小さな世界を形成しているのですが、なんというか、人間ドラマがが非常に希薄に感じるんですよね。あと、微妙に悲壮感が伝わってこない。人それぞれかもしれませんが、演技力という点ではあまりレベルの高い作品ではないように感じました。この作品、日本人として木村佳乃さんと伊勢谷友介さんのお二人が参加していて、それなりに見せ場も作ってくれていますから、そのあたりが日本人としては一番の見所かもしれませんね。この感想を読む
病める時も健やかなる時も、神との契約
いきなり目が見えなくなったら、もうお手上げじゃないかな。この映画は全世界に盲目感染が広がり、隔離したところさえ食料の配達も止まってしまう。全世界中感染で目が見えなくなってしまうのに、眼科医の奥さんだけが目が見える。これは映像がもわーんと薄く煙がかかったように撮られていて、目が見えない人たちの気持ちを映像化してましたが、これは万民に受ける映画ではないでしょう。結婚したときに神父の前で誓う言葉、病める時も健やかなる時もと言うのが、この映画のメッセージです。彼女は食べ物が無くなり、世界が混乱している中で、自分を頼ってる人たちを安全なところに置いて、彼女は教会の中に入っていきます。そこで彼女は言葉無く祈ります。死が分かつまで、共に生きる事を神の前で誓った神との契約の映画です。キリスト教のベースが在ると、よくわかる作品です。
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