ものごとの本質とはなにか。を感じさせてくれる作品 - No.6(ナンバーシックス)の感想

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No.6(ナンバーシックス)

4.004.00
文章力
4.00
ストーリー
3.50
キャラクター
4.00
設定
3.50
演出
3.33
感想数
3
読んだ人
11

ものごとの本質とはなにか。を感じさせてくれる作品

4.04.0
文章力
3.5
ストーリー
3.5
キャラクター
4.0
設定
3.0
演出
3.0

この本に私が出会ったきっかけは某テレビ局の深夜アニメ枠です。アニメをみて興味を惹かれ、原作も読んでみたいと思いこの本を手に取りました。

「NO.6」は全9巻、バッテリーなどが代表作のあさのあつこさん著の作品です。舞台は2013年の理想都市『NO.6』。ここに暮らしている主人公紫苑の12歳の誕生日の日に謎の少年・ネズミに出会うところから始まります。その4年後、紫苑は奇怪な事件の容疑者とされ追われ窮地に陥ったとき、ネズミと再会します。それを機に紫苑はネズミとNO.6から逃れ様々な人々と出会いながら成長し、理想都市の現実と隠された本質にせまっていくのです。

この作品のおもしろいところは臨場感のある描写です。特に主人公たちが「NO.6」の腫瘍とも言えるある施設に潜入していくあたりは読んでいてゾクゾクします。頭の中でイメージがしやすく、キャラクターたちに感情移入しやすいためどんどんと物語の中に引き込まれていきます。また、文庫本版だと一巻一巻がうすくて読みやすいです。作品を読み進めていくにつれて明かされていく理想都市の裏側の現実とその本質はどこか私たちが生きていく現世にリンクするところがあり考えさせられます。果たして自分が見ているものは本当にその本質をとらえているのだろうか。そんなことを改めて感じさせてくれる作品です。


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他のレビュアーの感想・評価

児童文学として扱うべき本

紫苑とネズミ、その愛をボーイズラブと扱わないでほしい『NO.6』の主人公、紫苑は男性である。彼の12歳の誕生日に部屋に飛び込んできたネズミもまた、男性だ。この時点ではネズミが華奢で長髪だったこともあり、暗い中で紫苑はネズミを男性だとは認識できなかった。しかし、物語が進めばネズミは男性であるということは明記されている。紫苑はネズミに対し異常な好意を持っていたと読み取れる。「君に惹かれている」と本人の口からも証言されており、キスシーンも含まれている。彼らの関係は恋愛だったのか。この作品をボーイズラブとして読む人は確かにいる。アニメ化もされたが、特にアニメではボーイズラブの色が強く、原作もそう扱われることが多い。しかし、私は2人の間に恋愛感情があったとは思っていない。紫苑はネズミのことを酷く知りたがった。相手を「知りたい」と思うことは一種恋をしていることに似ているかもしれないが、紫苑が求めているのは...この感想を読む

3.53.5
  • ゆきなゆきな
  • 1623view
  • 3076文字
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『NO.6』の世界観やネズミと紫苑の関係性をあさのあつこ他作品をふまえて考察

『NO.6』の起承転結を考察『NO.6』を最後まで読み切ったとき、特にこれといった意外さはありませんでした。落ちるべきところに落ちた感じでしたし、何となくですが予想できる最後でもあったような。でも世界観とキャラクターの魅力、すなわち秀逸な情景描写&心理描写。これは素晴らしかったです。むしろこれだけで最後まで読者を世界観に引きずり込んだ印象でした。さすがとしか言いようがないですね。『バッテリー』しかり『福音の少年』しかり、あさのあつこさんの作品は起承転結を読み切ったあとにどこかもやっとしたものが残ることが多いです。結局どうなったんだろう……と。たとえるならば、マラソンで並んで走っていた友達がゴール手前で光速でぶっちぎったような気がしたのにゴールについても姿が見当たらない、という感じ。結末はどこに行ってしまったんだろうと取り残された感じです。分かりにくいですかね。その点『NO.6』は、もやっとしたもの...この感想を読む

4.54.5
  • カーテンカーテン
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  • 2302文字

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