ものごとの本質とはなにか。を感じさせてくれる作品
この本に私が出会ったきっかけは某テレビ局の深夜アニメ枠です。アニメをみて興味を惹かれ、原作も読んでみたいと思いこの本を手に取りました。
「NO.6」は全9巻、バッテリーなどが代表作のあさのあつこさん著の作品です。舞台は2013年の理想都市『NO.6』。ここに暮らしている主人公紫苑の12歳の誕生日の日に謎の少年・ネズミに出会うところから始まります。その4年後、紫苑は奇怪な事件の容疑者とされ追われ窮地に陥ったとき、ネズミと再会します。それを機に紫苑はネズミとNO.6から逃れ様々な人々と出会いながら成長し、理想都市の現実と隠された本質にせまっていくのです。
この作品のおもしろいところは臨場感のある描写です。特に主人公たちが「NO.6」の腫瘍とも言えるある施設に潜入していくあたりは読んでいてゾクゾクします。頭の中でイメージがしやすく、キャラクターたちに感情移入しやすいためどんどんと物語の中に引き込まれていきます。また、文庫本版だと一巻一巻がうすくて読みやすいです。作品を読み進めていくにつれて明かされていく理想都市の裏側の現実とその本質はどこか私たちが生きていく現世にリンクするところがあり考えさせられます。果たして自分が見ているものは本当にその本質をとらえているのだろうか。そんなことを改めて感じさせてくれる作品です。
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