大好きな小説
この作品は、伊坂幸太郎さんの作品の中で一番好きな作品だ。
この作品は、何個かにストーリーが分かれているが、実は同じ時を過ごしていたり、誰かと誰かが知り合いだったりと、伊坂幸太郎さんらしい構成を取っている。
この本全体の設定としては、もう少しで隕石が地球に飛んできて、地球が滅亡してしまうのを知らされた人類が、混乱している中での生活を描いている。登場人物は皆、仙台の「ヒルズタウン」に住んでいる。
この中で私が一番好きなストーリーは、「太陽のシール」だ。
登場人物はごく普通の夫婦だが、なんとこんな時期に妻に妊娠疑惑が。
最初は、しっかりして冷静な奥さんに比べて、旦那さんはなんて優柔不断で頼りないんだと思った。
私も妊娠・出産経験があるが、できちゃった結婚なため、産むかどうか迷った経験があるので、このふうふの気持ちがよくわかった。産んだとしてもこの子が小さい頃に地球が滅亡してしまうが、産まないという選択もできない、どちらが子供にとって幸せかわからないからだ。しかし、親が悩んでいるうちにも子供は御構い無しに育っていく。
最後には、旦那さんがピシッと決断したことにはとても感動した。奥さんがなぜ、この旦那さんを信頼し、愛しているのかがわかった。
周りが隕石落下で混乱する中でも、彼らは子供を産んで、隕石が落ちるまで家族3人で穏やかに暮らしていくだろうと感じた。
その他のストーリーも全て登場人物が、自分らしく生きる、ということを選択したことが、清々しかった。
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