からくりサーカスの何が面白いって? - からくりサーカスの感想

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漫画レビュー数 3,135件

からくりサーカス

4.504.50
画力
4.38
ストーリー
4.38
キャラクター
4.38
設定
4.75
演出
3.63
感想数
4
読んだ人
10

からくりサーカスの何が面白いって?

4.54.5
画力
4.5
ストーリー
5.0
キャラクター
4.0
設定
4.5
演出
4.0

目次

絵が嫌い。そんなこと思ってた時もありました(笑)

藤田和日郎先生の作品は独特なタッチの作品のため、私と同年代の人の中には苦手な人や、嫌いだと言う人もいました。

今ではすっかり先生のファンな私も、「あのインクがすっごい濃くて無駄に歪んで描いてる人」みたいに思ってた時期がありましたw小学生とか中学生くらいの時かな(笑) 今思えばすっごいおバカだなw

何がきっかけで読んだのかは、正直あまり覚えてませんw

ほら、あるじゃないですか。

週刊誌なんか読んでる時に、いつもは読まない作品を読んでみたら…。

「なんじゃこれ!!」「めちゃくちゃ面白いやんか!!」「うわーなんで最初から読んでなかったんやろ…。」

みたいな?w

んで、気づいたらどっぷり藤田先生の世界観にはまっちゃってw

当時、連載されていたのは月光条例という作品だったんですが、その前に長く続いたからくりサーカスってのがあると知って、少ない小遣いを上手くやりくりしたり、お年玉なんかを使ってちょっとずつ、ちょっとずつ集めていって。途中に気づいたら、うしおととらも集めてて(笑)

とにかく必死。

それぐらい藤田先生の世界観って引き込まれちゃうんですよね。読んだ人ならわかるだろうけどw

それからは、絵が少し苦手とか、前の作品が面白くなかったとか、そういう先入観を持ってると損をするんだと思っていろんな作品を読んでます(笑)

どこが面白いか?それは言っちゃいけねぇなぁ…。

でも、言っちゃいます(笑)

まずはストーリーがどんどんと展開していきます。え?主人公って鳴海?勝?しろがね?誰かわからーん!!てか、ゾナハ病って何!?マリオネットどう動いてんの!?なんで勝は人形遣いに追われてんの!?とかね(笑)

んで、ストーリーが進んで「勝 頑張れー!!!」なんて思ってたら。

「鳴海が死んだー!!!!!!」ってなって号泣。←この時点でだいぶ引き込まれてますw

その後、なんやかんやあってストーリーも収束。

と、思っていたところに超展開!!

次は自動人形-オートマータ-が勝を狙っている!?鳴海は生きてる!?ギイって一体何者!?しろがねってひとりじゃないの!?鳴海もしろがねに!?

もう謎が止まりませんw 

でもそれがいい!!それでこそ藤田先生の作品!!大好きが止まりません←

そして鳴海と勝。二人の主人公の物語が本格始動していきます。

ストーリーは本当に素晴らしい。この一言で全てです。

だってこの時の私はドキドキが止まらず、夜に眠れなくなり、よく学校を遅刻していましたから。←



しかし、すこーしだけ不満があるとしたら。

鳴海が記憶を取り戻していくくだりを私はもう少し描いて欲しいなー。

あと、フランシーヌ人形が偽フランシーヌ人形を作ってどうやってアンジェリーナまでを辿ったのか。

ルシールから始まったしろがね達の悲しい記憶ももう少しボリュームが欲しかったかな…。

でもやっぱり藤田先生の作品は素晴らしいよーーーーー!!!

超リスペクト!!!神!!!髪はないけど!!!←





そして、なんといっても魅力的なキャラ!!

藤田先生の作品はキャラクター達の魅力がまたイイんです!!

勝はおとなしくて優しい子。

だけど確かな情熱を持っていて。やると決めたら貫き通す。そんな“漢”を感じる逞しさもあり…。

どんだけ盛り込むねん!!!ってくらい魅力が詰まってるw

しかも小学生なのに頭脳は(優秀な)大学生ぐらいはある。ハイスペック!!

しろがねはなんといっても美人!!!!!!!!!

美人ったら美人!!!

だいすき!かわいい!!お嫁さんにしたい!!!!

以上!!

鳴海はツンデレ漢気マッチョメーン。

中国拳法なんてかっこよすぎるだろー。

そして他のしろがねとは少し違う、選ばれし者感。

当時の私(中学生)にはたまらなくかっこよかったのです。いいえ、今でもかっこいいですw←

そんな魅力的な3人の主要人物。

それぞれテーマを持って描いているのかなー?とか私は思ってます。

勝は純粋さと克己心。

しろがねは恋慕や慈愛。

鳴海は人情と復讐。

今、現実にいる人でこんなにも純粋に物事を捉え、折れず、諦めず、想い焦がれ、慈しみ、誰かのために動ける人って少ないんじゃないでしょうか?かくゆう私も出来てないことばかりです。考えさせられます。

そして自動人形達。

フランシーヌを笑わせるためなら何をしたって構わない。自分のためならなんだってする。

自動人形なのにすごく人間臭いところがあったり、死を恐れていたり。

藤田先生は自動“人形”を一つの命の形として上手く描いていたと思います。


まとめ!!

今回のこの記事を書くためにもう一度読み直したが。

まだまだ深い解釈があるのではないか。子供だからこそ気づけたこと。大人だからこそ気づいたこと。

漫画ひとつでこんなにも考えさせられる作品は少数だ。

絵が綺麗。ストーリーが好き。

そういう理由で漫画を読むのはもちろん当たり前だけど。

漫画を小説のように深く考えて、じっくりと深読みして、作者は何を伝えたくてこの作品を描いたのか。

漫画を真剣に深く読み解く。そんな大人が増えてもいいんじゃないかと私は思いました。

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フェイスレスの矛盾

尋常じゃない伏線さすがにこの漫画を超えるほど、複雑に入り組んだ設定の物語を見つけるのは難しい。それくらいに大風呂敷なこの漫画だが、よくたたみきったものである。そしていちいち熱い展開、華々しき散り際、凍りつく絶望感、中だるみの黒賀村……このあたりが、読んだ人の大体で一致する感想だろう。黒賀村に関しては、コミックで一気読みする分にはそこまで気にはならないけれど、連載中は間違いなくキツかっただろうなと予想される。あの辺、実は伏線的にもあまり意味がないターンであり、その後の伝説の「ぜひっ」に繋がっていることを除けば、まるまる消してしまっても構わないくらいだ。当然その「ぜひっ」のインパクトが凄かった以上、存在価値はあったのだが、できればテンポよく、伏線とも混ぜて欲しかったかもしれない。と、早速黒賀村の文句になってしまったが、ようするに他は素晴らしかったという話でもある。とりわけキャラの散り様は半...この感想を読む

4.04.0
  • ダブルピースダブルピース
  • 7907view
  • 2480文字
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からくりサーカスについて

読むのに根性がいるけれど読み応えは凄いからくりサーカスは全43巻あります。けれど藤田先生の作品ですから、その濃さと言ったら倍の86巻分あると言っても過言ではありません。それくらいの読み応えがありますよね。主人公たちはざっくり言って才賀勝という小学校五年生の男の子と、加藤鳴海という19才の青年、そしてくぐつを操るしろがねの三人ですが、一言では語れないほど長い長い物語が続きます。けれど根底にあるのはいつも悲しいくらいの憎悪です。サーカスの物悲しさとあいまって切ない事の連続でした。主人公たちはいつも必死。死ぬか生きるかの瀬戸際で戦うなんと言っても見所はくぐつを操って戦うシーン。もう糸とかどうなっているのだろうかというくらい絡まりまくりです。でも勝も最初は戸惑ったり上手く行かない事ばかりでしたが、次第に力を身につけて格段に成長していくところはやっぱり少年漫画だなと思うのです。人は生か死かのぎりぎりに...この感想を読む

4.54.5
  • ロココロココ
  • 290view
  • 1019文字

魅力的なキャラクターが織りなすからくりサーカスの世界

この作品は何度読んでも面白い!と感じることが出来る作品で、かなりお気に入りです。主人公のマサルは弱虫ないじめられっ子でしたが、鳴海やしろがねや沢山の仲間たちと出会うことで変わっていきます。弱虫ですぐ逃げていた、あの少年がどのように成長していくのか注目です!弱虫なマサルとは対照的に、鳴海は強い、頼り甲斐のある男性です。マサルの憧れであり、お兄さんのような存在です。鳴海の不器用だけど、まっすぐなところは時に面白く、時に涙を誘います。また、鳴海としろがねの関係は「マサルを護りたい」という共通の想いが、徐々に二人の関係を深めていきます。鳴海としろがねはお互いに持っていない魅力を持っているから惹かれ合うのかなと思います。強く、まっすぐで不器用な男と、人形を操るために教育され、笑うことが出来なくなっていたしろがね。二人を慕い、強くなりたいと願うマサル。三人はずっと一緒にいて欲しいものです。ところが...この感想を読む

5.05.0
  • みさきみさき
  • 218view
  • 624文字

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