邪眼は月輪に飛ぶのあらすじ・作品解説
「邪眼は月輪に飛ぶ」は2007年、藤田和日郎による漫画。週刊ビックコミックスピリッツの2号~10号の全七回、単行本は1冊で完結している。 むかし、むかし…見ただけで人間も動物も死に追いやる恐ろしい邪眼を持ったフクロウがいた。一人の猟師が立ち上がり、フクロウに致命傷を負わせ驚異は去ったように見えた。しかし13年後、東京湾に座礁した米軍の空母から大都市東京に悪魔が再び放たれた。唯一フクロウを撃ち落とした猟師・鵜平が米軍から要請を受け、祈祷師の娘・輪と共に東京へ向かう。デルタフォースのマイク、CIAエージェントのケビンが加わり、東京の命運が4人に託されたのである。 「うしおととら」「からくりサーカス」など長編作品を生み出してきた作者による初の集中連載、また青年誌での連載も初となる。当初全5回の連載の予定が、収まりきらず最終7話に増えたなどの逸話も掲載されており、作者自身、編集者、雑誌の本気度合いがよく分かる。7話完結、しかしそれ以上のエネルギーがこもった軌跡の一冊である。
邪眼は月輪に飛ぶの評価
邪眼は月輪に飛ぶの感想
目力抜群激かわフクロウにたっぷり呪いをかける藤田節
冒頭カラーページのミネルヴァが盛り上がりすぎる件最近の静かなフクロウマイブーム、フクロウカフェなんかにもデレデレして出入りしちゃう私ですが。オメメぱっちり名実ともに「目で殺す」ミネルヴァさんに愛を感じずにはおれない訳です。ミネルヴァさんは白フクロウが素体だと勝手に確信はしているのですが、恋人の石のフクロウに姿形を寄せているので白フクロウよりもゆるキャラ的な造形。女心がきゅんきゅん。さてそんなゆるキャラのミネルヴァさんですが本編初登場は目のアップだけ。CGで描く作家さんも多い中、職人的なアクリル絵の具っぽい着色のカラーページです。このカラーページ、初登場のミネルヴァさんと見開きミネルヴァさん目の色が違うんですよね。初登場時の目のアップは赤い目に黄色の瞳。見開き時は赤い背景、黄色の目に毒液と同じ墨の瞳。まずページをめくる時の「不気味」「得体がしれない」の前降り演出があって。赤い目なんか尋常じ...この感想を読む
死者420万人は妥当か
見た者を殺す梟この作品に出てくる梟『ミネルヴァ』は、見た者を殺すという能力がある。シンプルながらとても強力な能力である。作中では東京に現れ猛威をふるい、街に市をばら撒いていったが、実際にミネルヴァが東京に現れたらどうなるのだろうか。ちなみにWikipediaの考察によれば、作品中の年代は2003年前後だと推定されている。計算してみよう作品の序盤によればミネルヴァによる死者は420万人になるという。ミネルヴァが殺す対象は『直接見た者』『モニター越しに見た者』である。作中にも書かれているとおり、後者の方が被害が大きいのでまずはそちらから計算しよう。夜に大災害があった後に明るくなってすぐに報道したいだろうから、放送はおそらく朝。当時の朝6時の番組での民放平均視聴率は約8 %。そこから計算される番組を視聴した人は約320万人。(計算サイト http://keisan.casio.jp/exec/user/1388911981 を使用)緊急放送だからもっと見てい...この感想を読む
鳥が世界を滅ぼす!
藤田さんの漫画は、すべて読んでますが、何の漫画を読んでも、連載でも単行本でも全部面白いなというのが感想です。 絵が独特なので、受け入れられない人もいるかもしれませんが、とにかく内容がこの人はすごいというか、読者の先の先に行きますね。 この邪眼も、鳥が見るだけで人を殺すというストーリーで、物語の入りから最後まで、ノンストップで面白かったです! 決して、困難から逃げないで立ち向かうキャラが出てくるというのも、この人の作品の特徴の一つだと思うのですが、 最後はみんなで団結して向っていくところも、スカッとします! 簡単に言ってしまいましたが、人間の心の葛藤や困難に直面した時の人の弱さなど、人間の心理をついてきます。 もし、自分だったらそれに立ち向かえるかな?と、迷っているときに、いつもここの主人公たちはそれを打ち破ってくれるのです。 勇気をもらうし、何よりアクション漫画としてもめちゃめちゃ面白...この感想を読む
邪眼は月輪に飛ぶの登場キャラクター
杣口鵜平
よみがな:そまぐちうへい ニックネーム:仙人 年齢(作品時):70を超える 性別:男性 国籍:日本 住まい:山奥で一人暮らし 特徴:その上からでも彼の表情が伝わる錬金術師や鳥のくちばしのような仮面をつけている 価値観:獲物や山に対して敬虔な気持ちを忘れない 職業:マタギ 拳銃の使用:嫌いで上手ではない