ドロヘドロのあらすじ・作品解説
「ドロヘドロ」は林田球による日本の漫画作品である。2000年~2014年まで「月刊IKKI」に連載されたあと、その「月刊IKKI」が休刊したため「ビッグコミックスピリッツ」の増刊号である「ヒバナ」で引き続き連載されている。 主人公のカイマンは、魔法使いによって頭部を爬虫類に変えられ記憶を失ってしまった。そして友人の女性、ニカイドウとともに元の頭を取り戻すために魔法使いを狩ってゆく。グロテスクな描写や残虐な場面もたびたび登場し、ダークファンタジーやスプラッタホラーという位置づけになっている。 だが登場人物はユーモアにあふれ、カイマンはギョーザとビールが大好きでオバケを恐れるなど、少年的な一面も持ち合わせている。 登場するキャラクターのほとんどが覆面マスクやガスマスクのようなホラーテイストの装いをしているのも本作の大きな特徴である。 本作のキャラクターをモチーフにした指人形やTシャツなども発売されている。
ドロヘドロの評価
ドロヘドロの感想
おそらくは日本一センスのある漫画
センスの塊このドロヘドロという漫画、何がすごいってセンスがすごい。すごいなんてものじゃない。ものすごい。センスとはなんぞと問われれば、それはとにかく独自性だと思うのだが、この漫画はあらゆる意味でオリジナリティに溢れすぎている。始まり方からして秀逸だ。口の中にいる謎の男だなんていう、意味不明の展開から物語がスタートするドロヘドロ。この時点でもうセンスがやばい。しかもその男の正体も口の中にいる道理もちゃんとした理由があり、決してギャグ漫画ではないというところもたまらない。この口の中の男然りなのだが、この漫画は、カイマンのトカゲ頭の意味だったり、ニカイドウの魔法についてだったり、ホールと魔法使いの関係であったり、とにかく小説かっちゅうくらいに話がしっかりと練り込まれているのだが、そのパーツがおかしいというのが何よりの特徴である。話を構成する、素材がおかしいのだ。このおかしさの正体は、一言で言...この感想を読む
ヘヴィでライトで混沌とした個性派マンガ
独特の世界観と強烈な個性小学館「IKKI」で連載開始し、雑誌の廃刊などを経て紆余曲折を経験しながらも今もなお愛されてやまない個性派マンガ、と言えば「ドロヘドロ」だ。グロテスクな表現が多いため読者を選ぶが、絵柄に相反してストーリーはしっかりしている上、キャラクターが能天気なので深刻さはない。キャラクターが死ぬシーンなどもあるが「ま、いっか」というノリで済まされ、それが許されるという独特の世界観がある。ヘヴィメタやハードコアの音楽の要素を含んでおり、作者の好みが反映されていることが伺える。きれいな作画が好まれる現在の漫画界で、あえて画面をきれいに仕上げない点が高評価で、まるで下書きの線を消さないような演出(というか書き込みが多い)で、意図的に汚い雰囲気を出している。男性向け漫画として発表されているが、女性人気も高く、アパレル方面でも絶大な人気が出た。男女コンビがいやらしくないドロヘドロにおいて...この感想を読む
なぜキノコ?その疑問を追求してみました。
確かな画力のダークファンタジー私がこの漫画を読んだ時の第一印象はとにかく「書き込み」の量が凄いということ。主人公の「カイマン」は爬虫類の見た目ですが、肌の質感まできっちり書き込まれています。独特な世界観で見る人を引き込む作品で、背景の同様にしっかり書き込まれています。そこから察するに細かいところまで拘る作者の意気込みのようなものを感じます。例えば作中で登場するキャラクターは基本的に「人間の姿」をしていますが、それぞれ独特なコスチュームとマスクを着用しています。それぞれにどういった意味があるのか、能力との関係は?などと考え始めるとストーリよりのそっちの方が気になってしまいます。なぜキノコなのか?この作品を読んだことのある人なら誰しもが一度は考える疑問。作中最強クラスに描かれている煙ファミリーのボス「煙(えん)」の能力がなぜキノコなのか。たしかに一撃必殺の威力もありますし、自身の足や手がキ...この感想を読む