からくりサーカスの感想一覧
漫画「からくりサーカス」についての感想が4件掲載中です。実際に漫画を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
フェイスレスの矛盾
尋常じゃない伏線さすがにこの漫画を超えるほど、複雑に入り組んだ設定の物語を見つけるのは難しい。それくらいに大風呂敷なこの漫画だが、よくたたみきったものである。そしていちいち熱い展開、華々しき散り際、凍りつく絶望感、中だるみの黒賀村……このあたりが、読んだ人の大体で一致する感想だろう。黒賀村に関しては、コミックで一気読みする分にはそこまで気にはならないけれど、連載中は間違いなくキツかっただろうなと予想される。あの辺、実は伏線的にもあまり意味がないターンであり、その後の伝説の「ぜひっ」に繋がっていることを除けば、まるまる消してしまっても構わないくらいだ。当然その「ぜひっ」のインパクトが凄かった以上、存在価値はあったのだが、できればテンポよく、伏線とも混ぜて欲しかったかもしれない。と、早速黒賀村の文句になってしまったが、ようするに他は素晴らしかったという話でもある。とりわけキャラの散り様は半...この感想を読む
からくりサーカスについて
読むのに根性がいるけれど読み応えは凄いからくりサーカスは全43巻あります。けれど藤田先生の作品ですから、その濃さと言ったら倍の86巻分あると言っても過言ではありません。それくらいの読み応えがありますよね。主人公たちはざっくり言って才賀勝という小学校五年生の男の子と、加藤鳴海という19才の青年、そしてくぐつを操るしろがねの三人ですが、一言では語れないほど長い長い物語が続きます。けれど根底にあるのはいつも悲しいくらいの憎悪です。サーカスの物悲しさとあいまって切ない事の連続でした。主人公たちはいつも必死。死ぬか生きるかの瀬戸際で戦うなんと言っても見所はくぐつを操って戦うシーン。もう糸とかどうなっているのだろうかというくらい絡まりまくりです。でも勝も最初は戸惑ったり上手く行かない事ばかりでしたが、次第に力を身につけて格段に成長していくところはやっぱり少年漫画だなと思うのです。人は生か死かのぎりぎりに...この感想を読む
魅力的なキャラクターが織りなすからくりサーカスの世界
この作品は何度読んでも面白い!と感じることが出来る作品で、かなりお気に入りです。主人公のマサルは弱虫ないじめられっ子でしたが、鳴海やしろがねや沢山の仲間たちと出会うことで変わっていきます。弱虫ですぐ逃げていた、あの少年がどのように成長していくのか注目です!弱虫なマサルとは対照的に、鳴海は強い、頼り甲斐のある男性です。マサルの憧れであり、お兄さんのような存在です。鳴海の不器用だけど、まっすぐなところは時に面白く、時に涙を誘います。また、鳴海としろがねの関係は「マサルを護りたい」という共通の想いが、徐々に二人の関係を深めていきます。鳴海としろがねはお互いに持っていない魅力を持っているから惹かれ合うのかなと思います。強く、まっすぐで不器用な男と、人形を操るために教育され、笑うことが出来なくなっていたしろがね。二人を慕い、強くなりたいと願うマサル。三人はずっと一緒にいて欲しいものです。ところが...この感想を読む
からくりサーカスの何が面白いって?
絵が嫌い。そんなこと思ってた時もありました(笑)藤田和日郎先生の作品は独特なタッチの作品のため、私と同年代の人の中には苦手な人や、嫌いだと言う人もいました。今ではすっかり先生のファンな私も、「あのインクがすっごい濃くて無駄に歪んで描いてる人」みたいに思ってた時期がありましたw小学生とか中学生くらいの時かな(笑) 今思えばすっごいおバカだなw何がきっかけで読んだのかは、正直あまり覚えてませんwほら、あるじゃないですか。週刊誌なんか読んでる時に、いつもは読まない作品を読んでみたら…。「なんじゃこれ!!」「めちゃくちゃ面白いやんか!!」「うわーなんで最初から読んでなかったんやろ…。」みたいな?wんで、気づいたらどっぷり藤田先生の世界観にはまっちゃってw当時、連載されていたのは月光条例という作品だったんですが、その前に長く続いたからくりサーカスってのがあると知って、少ない小遣いを上手くやりくりした...この感想を読む