やっと納得のいく結末で終われた鋼の錬金術師
この作品については、2度アニメ化されている。
1度目は、まだ連載が中頃であった為に、アニメが原作に追いついて、クール数の問題があった為に、とんでもない結末で無理やり終了のなってしまった。アルとエドが別次元で生きていくという結末では、
この作品ファンは納得しなかったはずである。
他作品でも、アニメが原作を追い抜かすことは多々あり、時間稼ぎをするケースはあるのだが、この作品については、時間稼ぎをするエピソードがなく、無理に入れると世界観が変わってしまうので、無理やり終了しか方法がなかった。
2009年に再度アニメ化され、ほぼ原作どおりにアニメ化されたが、こちらの方が、原作者の思いが強く反映されているし、丁度最終話に近づいていたので、グッドタイミングだったと感じる。
まず、一回目のアニメ化は、監督のコメントによると「一人の少年の成長記録的作品」とされていた。
いやいや、原作はそんな事を言いたかったのではない。
母親を生き返らせようと、禁忌の「人体練成」をやった為に、体を失い、取り戻す為に、賢者の石を求めに行ったけど、実はとんでもない計画を知り、その計画阻止の中で、何が一番大切かを最終的に見つけるという、単なる成長記録的作品ではない。
父親と決別していたが、最後は認め許す心、死んだ人間は2度と蘇らない、納得のいかないものは絶対認めない、絶対最後まで諦めない、助けてもらったら「ありがとう」と必ず言う、これは作者荒川弘が一番伝えたかった事であると拝察される。特に作者の実家は農家なので、助け合いの精神は強く、たくましい。だから、最後まで諦めずに戦うし、諦める事なく、アルの体を取り戻した。
魅力的なキャラクターが花を添えて、話を盛り上げて、二回目のアニメ化で、ようやく納得できる終わり方ができた。
これも「最後まで諦めない」というこの作品のテーマに繋がるのかもしれない。- あなたも感想を書いてみませんか?
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