読んだら自分のペットを愛おしく思う
この本は原作であるマンガを小説化したものです。私は先に原作を読んでから小説版も読みました。
原作を読んだのがだいぶ前なのでぼんやりとしか覚えてないのですが、小説版は本編の「その後」を描いたお話が少し書かれています。
原作でもボロ泣きしましたが小説版も涙が止まりませんでした。
ストーリーは、幸せそうな家庭に拾われた犬「ハッピー」の視点で描かれています。そのため文章も全体的にひらがなが多く、人間の言葉をあまりよく分かっていない犬の視点というのがよく分かると思います。
「おとうさん」が離婚したことでハッピーとともにあてのない旅に出かけることになります。
ハッピーがおとうさんのことを大好きだというのが場面ごとによくあらわれていて微笑ましいです。そしてお父さんも、ハッピーをただのペットとしてではなく自分の子供を扱うような態度で接しています。事あるごとにハッピーがおとうさんの持病を心配したりおとうさんがハッピーのことを気にかけている様子が見られ、主人と飼い犬という主従関係ではなくて、本当の家族のように接し合う一人と一匹の姿に胸があったかくなります。
そしておとうさんが最期を迎える場面は不思議とクリアに情景を頭に思い描くことができました。
ハッピーには「死ぬ」ということがどういうことなのか分からないのでおとうさんの死後も動かないおとうさんのために動き回る様がけなげで切ないです。
おすすめしたい1冊です。
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