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- 感想
- 3人の少年と、おじいさんの交流を描いた本
4.384.38
- 文章力
- 4.50
- ストーリー
- 4.50
- キャラクター
- 4.25
- 設定
- 4.50
- 演出
- 4.38
- 感想数
- 4
- 読んだ人
- 8
小学6年生の少年3人が、「死んだ人を見てみたい」という残酷で無邪気な好奇心で、近所から、もうすぐ死にそう、と言われている一人暮らしの老人(男性)を観察し始め、そのうち交流が始まり、友情が芽生える…という話です。
いい話だと思います。子供に勧められる良書です。でも、私は読んだ事が無く、今回大人になってから読んだけど、それでもいい話だと思いました。
おじいさんにとって、子供たちとの交流は、きっととても幸せな事だったと思います。
買い物、室内の様子、洗濯、アイロンがけ、家の周りを綺麗にする事、家を修繕する事…草取り、コスモスの種まき、など、自分のためにではなく、きっと訪ねてくる、子供達のためにきちんと生活する事を始めたのだと思います。
そして最後の葡萄…4人で食べられなくて残念だったなあと思うけれど、コスモスに囲まれ、葡萄の甘い香りに包まれて、少年達に発見されるのは、幸せな死に方なのでは、と思いました。
「あの世に知り合いがいるって、心強い」って、いい言葉ですね。
飛躍的に成長した少年達の心に、おじいさんが、ずっと良い相談相手として存在し続けるといいなと思いました。
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他のレビュアーの感想・評価
秋の気配を感じる今にぴったりな本。
映画化もされている「夏の庭」。こどもの頃に読んでいろいろな想いをもらった本です。木山、山下、河辺の小学校最後の夏。死の瞬間を見たいという無邪気そして残酷すぎる好奇心から、もうすぐ死んでしまうという一人暮らしのおじいさんを見張ることにした三人。次第におじいさんと深く関わるようになって・・、おじいさんは最後に幸せな時間を過ごせたのかなと思います。最後に少年たちのためにおじいさんが用意していてくれた、ぶどう・・涙でした。少年たちの心情描写、純粋でまっすぐで、はっとします。読んでいる途中、胸の奥が苦しくなるけれどこどもの頃にかえって心が少しだけ洗われたような気持ちになります。死ぬこと。生きること。何かを伝えてくれる本。わが子にも読ませたいと思う一冊。
4.54.5
若年層向け!!
最初は、「ぼくら」の好奇心から始まった老人の「観察」。いつしか少年たちの「観察」は、老人との深い交流へと姿を変え始めていた…。私が最初にこの本を読んだのは中学生の時。子供ながらに、「老人」と「ぼくら」の絆に最後は大号泣。その時は「死」がテーマになっているお話だという認識だった。自分が大人になって再び読み返した時、もっともっと深い意味が見えた。最後に力強く歩きだす3人に勇気をもらった。「死」を知った時、「子供」は一歩「大人」になる。老人と過ごした夏は、3人の小学生にとって、きっと一生忘れることのない思い出になっただろう。個人的に、洗濯ものを干す場面がとても爽やかで、情景の描写が細かく、とても印象に残っている。
4.04.0
ノスタルジー
小学生の頃にも読んだ事があるのですが、おとなになってもその印象は変わりませんでした。子供の頃に持っていた好奇心や、出会った事のないタイプの大人との未知との遭遇。そんな、子供時代のノスタルジックな感傷に浸りながら、やさしい気持ちになれる、それが大人となって読む今の感想です。子供を持つほどの歳になって読んでも、あの頃の感じと変わりません。児童文学とカテゴライズされていますが、大人でもライトに楽しめる作品だと思います。もし、お子さんがいるのであればお子さんと親子二代で読むというのも感動ひとしおなのではにないでしょうか。子供にも、大人にもおすすめできる一冊です。
4.04.0
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