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- 感想
- 大きな力との孤独ではない戦い
4.004.00
- 文章力
- 4.29
- ストーリー
- 3.79
- キャラクター
- 4.14
- 設定
- 4.00
- 演出
- 4.21
- 感想数
- 9
- 読んだ人
- 28
主人公・青柳雅春は首相暗殺の嫌疑をかけられ、逃亡を強いられることに、というのがこの小説の簡単な(簡単過ぎる)あらすじだが、ここが伊坂幸太郎作品だなぁと思わずうなってしまうのが、逃亡しながら、青柳雅春が自分のこれまで築いてきた信頼できる人間関係を駆使していくところだ。つまり、青柳雅春が本当に“いいひと”で、周りの人たちはそれが分かっているから、それぞれが青柳雅春を助けるために動くことになる。そういう人と人とのつながりを強く感じさせてくれるところが、ハードながらもあたたかい話だなぁ、と思う。
ネタバレ。これ、普通に読んでいて気付いた方どれくらいいらっしゃるんだろう?
第三部、事件から二十年後、これ書いたのは、青柳雅春本人だ! 読み直していてそれに気付いたときは本当に興奮した(笑)。ヒントはある。
二十年経って、自分なりに事件のことを調べたんだなぁ、ちゃんと人としての生活を送っているんだなぁ、というのが、感慨深い。
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他のレビュアーの感想・評価
伊坂ミステリ
一人の男が首相暗殺の濡れ衣を着せられていろいろな人に助けられながら逃亡劇を繰り広げていくお話です。物語の構成として現在と過去が交互に話され、その中で共通の人を通しつつ物語が展開していきます。第二部でもう一人の男が現れ真犯人かと思わせるようになっているがそこで話は二十年後にうつりそして事件の真相へと迫ると言う形になっている。しかしその構成があだとなり逃亡の疾走感がややかけているかと思われる。しかしやはり終盤は伊坂の才能を感じさせるところでたくさんのところにちりばめられた伏線が一つの大きな線となり色々な登場人物を巻き込みラストを迎えるところは見ものです!パズルのように作りだされる伊坂ミステリの中でもその特徴が顕著に現れた一冊だと思います。
4.04.0
伊坂ワールド全開
実際自分にこんなことがあったら怖いな~、と思いながら読みました。 総理大臣を殺した犯人にしたてあげられてしまった主人公が繰り広げる逃亡劇は圧巻です。物語の展開もお見事でした。 世の中何があるかわからないですし、日本は平和だと思っていますが、もしかしたらこんなことが起こるかも?と想像してしまいました。現実的ではないですが、小説なので楽しく読めました。 総理大臣暗殺の犯人として国中から追われることになるというお話ですが、表現のタッチや物語の展開が決して重苦しくなく、なんとなく楽しく描かれていて、うーんなんとも伊坂さんらしい作品だなあと思いました。
4.54.5
人と真摯な関係を築くことが自分を助ける。
突然、何の予告もなしに首相暗殺の容疑者にされてしまう主人公の青柳雅春。国家VS1個人。どう考えても助かりようがないのに逃げ果せてしまうのはやはり青柳が「いい人」だからの一言につきると思う。青柳は、友人や元カノ、元職場の同僚や、昔助けたことのあるアイドルなど今まで真摯に向き合ってきた人たちの力をかりてピンチを切り抜けていきます。途中、通り魔や入院患者など偶然に出会った人たちにも助けられるけれど何かしら彼が、いい人オーラを出していたのかも。テンポがよく、この先どうなるんだろうと一気に読めてしまいます。なぜ狙われることになったのか、整形をしてまで逃げて幸せなのかなど気になるところは残りますが、楽しめました。
4.54.5
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