やはり古典は安定していますね
シャーロック・ホームズのシリーズは、小学生の頃に子ども向けの訳本にはまっていらい、大好きなシリーズの1つです。一番の魅力は、なんといっても、ホームズとワトソンの個性的なキャラクターを軽妙なやりとり。その後、探偵と助手の典型例となったのも納得の魅力だと思います。『四つの署名』は初期の長編ですが、個人的には短編集の方がおもしろいと感じています。ホームズとワトソンの個性作りに、まだどことなく作者の手探り感がにじみ出ている気がします。また、比較的古い時代の訳本なので、言葉づかいがやや古めかしいのは否定できません。その辺りが、文章力の減点要因です。インドの内乱に乗じた裏切りと復讐の物語ですが、『緋色の研究』に比べて、人間の欲望がむき出しなので、どうしても殺伐としたものを感じるのが、ストーリーの減点要因です。ついでに、とってつけたようなワトソンの恋愛感情も、別になくていいかなと思ったり。ホームズ・シリーズは好きなのですが、ワトソンが依頼者に惚れ、結婚し、なぜかすぐ離婚するという設定は蛇足かなと思ったりします。やはり、時代柄、ずっと同居していては、同性愛疑惑がうまれて良くないと考えたのでしょうか? そうだとしたら、表現の規制問題は難しいなと思います。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)