葛藤があるからこそ友情の絆は深いのかも
植物を使った染色家の道を志す蓉子が祖母から引き継いだ古い日本家屋に、機織りを学ぶ美大の大学生である紀久と与希子、日本文化を学び、鍼灸師を目指すアメリカ人のマーガレットが下宿することになったことから、物語が始まります。若い女性4人の同居生活は、一見、ままごとのように和気あいあい、楽しく、明るく、夢にあふれていました。機密性のあるおしゃれなマンションでの下宿のように自由で気ままというわけにはいかず、それぞれが少しずつ譲歩し、責任も分担しなくてはいけません。しかし、その分、楽しいことを見つけ出す機会もずっと増えていきます。しかし、まるで織物の縦糸と横糸のように不思議な縁で交わった彼女たちの人生は、とっくの昔に置き去りにしてきたはずの因縁を明るみに出していきます。祖先たちが経験した苦しみに、現代の彼女たちが抱える葛藤が色を添えて、4人はそれぞれ心を痛めるのです。それでも、彼女たちの心は離れるこ...この感想を読む
4.04.0