あるようなないようなの評価
あるようなないようなの感想
初期の頃のエッセイ集です
「蛇を踏む」で、芥川賞を受賞した前後に、いろいろな雑誌に書いていたエッセイをまとめた本だそうです。エッセイ集、とはいうものの、現実と虚構の境が曖昧で、そこが楽しいカワカミ・ワールド、なのです。まさに、「あるようなないような」世界なのです。どことなくおかしくて、かわいらしい方だな、と思う反面、穏やかな中にも、妙な感じが時折して、「もしかして、今は彼女の手中で、もてあそばれているんじゃ?」という不穏な感じもします。今でいう、「ネットカフェ」を、「エレクトロニックカフェ」と言っていたりするところに時代を感じました。伊勢海老が3匹も送られてきて、調理して食べた話は、かなり怖かったけど、宿での海老の話も含めて美味しそうで、羨ましかったです。(笑)