温井佐助のプロフィール
本名 | 温井佐助 |
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よみがな | ぬくいさすけ |
ニックネーム | 佐助どん、温井検校 |
性別 | 男 |
国籍 | 日本 |
住まい | 大阪道修町の薬種商 |
所属 | 鵙屋、丁稚 |
価値観 | お師匠様に比べると眼明きの方がみじめだぞ、盲目なればこそ眼あきの知らない幸福を味えたのだ |
特技 | 三味線 |
出身地 | 江州日野 |
没年 | 明治四十年十月十四日 |
春琴抄の他の登場キャラクター
春琴抄の感想
古典美を流麗な文章で
谷崎の生涯追求してきたと言って良い女性崇拝と美を、琴のお師匠とその下男の関係の中で昇華させています。この時期の谷崎は初期の西洋崇拝を脱して、東洋的な美、中でも日本美に回帰しており、その感覚の中で作られた傑作と言えるでしょう。ひたすら美しい師匠に忠実に仕えることに喜びを見出す下男と、盲目の師匠の関係は、形を変えながらも初期から続いてきたテーマでもあります。ここに特筆すべきなのはこの時期の谷崎の文章感覚でしょう。文章の優れていた点は初期からありましたが、この時期は欧語系も排して、極力和文体にしようとしています。あえて英語などを使わずどう表現するかでこの作は到達した点があると言っても過言でありません。