ロマンス小説の七日間のあらすじ/作品解説

理解が深まる小説レビューサイト

小説レビュー数 3,368件

ロマンス小説の七日間

3.003.00
文章力
3.50
ストーリー
3.00
キャラクター
3.25
設定
2.75
演出
2.00
感想数
2
読んだ人
2

ロマンス小説の七日間の評価

総合評価
3.003.00
(2件)
文章力
3.503.50
ストーリー
3.003.00
キャラクター
3.253.25
設定
2.752.75
演出
2.002.00

評価分布をもっと見る

ロマンス小説の七日間の感想

投稿する

意外(?)な才能

もっと早くその才能に気づきたかった時すでに遅し。後悔先に立たず。ただ過ぎに過ぎるもの、帆をかけたる舟、人の齢、春、夏、秋、冬。とはよくいったものだ。何が言いたいかというと、筆者は後悔しているのである。なぜこんなに気づくのが遅かったのか。あれだけ少女漫画好きを公言している三浦しをんがロマンス小説を書けない訳がないじゃないか! と。それほど、私は三浦しをんが作中に創作した“ロマンス小説”に驚き、心惹かれているのだ。はっきりいって本編よりずっと良かった。主人公たちの恋愛を差し置いて知り合いのストーカー問題に首を突っ込んでいる本編より百倍ぐらい面白かった。題名の明かされていない“ロマンス小説”は、主人公・あかりの手によって大幅に改編されている。あかりいわく、“予想できる”ハッピーエンドから、ヒーローであるウォリックの死、アリエノールの不貞、シャンドスとの別れ、という切ない恋物語に改編された一連...この感想を読む

3.03.0
  • すらりすらり
  • 135view
  • 2042文字
PICKUP

好きだけれど、結婚はしないという選択肢の肯定

物語を書き換える今回は、三浦しをん著『ロマンス小説の七日間』(角川文庫)について考察する。この小説は主人公あかりが仕事で翻訳する英国中世騎士道ロマンス小説の物語と、主人公の生活する現実世界での出来事と平行して展開する。そしてあろうことか、あかりはこの内容に対し、「なんじゃこりゃ」とばかりに手を加え、書き換えてしまう。あまりにもその内容がファンタジーで続きが想像できてしまうからだ。今回はこの点に注目し、ロマンスと作中の現実世界の対比を通して見える現代の結婚観について考えたい。一緒にいることと結婚は別物まず、主人公のあかりはフリーランスでの翻訳業を生業として自身で生計を立てている。交際している神名(かんな)は、企業で営業職についていたものの、ある日突然、仕事を辞めて旅に出ると言い出してしまう、かなり自由な男性だ。そこで、注目したいのが、神名が旅にでる、という時にあかりの選択肢として元々神名...この感想を読む

3.03.0
  • TiritiriTiritiri
  • 183view
  • 2004文字

ロマンス小説の七日間の登場キャラクター

遠山あかり

ロマンス小説の七日間の名言

「恋」という言葉から一般的にイメージされる「純粋な気持ち」なんて、中学生の恋愛にぐらいしか存在しないもん。「純粋な気持ち」の実態って、つまりは「思いこみ」だし。

遠山あかり

打算で恋愛をしていた自分を責めたが、恋なんてもとから打算の塊だと気づいたあかりが思うこと

愛の言葉は万能の呪文にはならない。たとえ、愛を実感できる出来事と言葉があったとしても、そんなのは瞬間の高揚をもたらすだけだ。

遠山あかり

恋人の神名とケンカしてしまったあかりは、ロマンス小説のなかの恋愛とくらべて現実の恋愛は単純ではないと実感する。

また新しく一歩を踏みだすための活力を蓄える休憩の時間が必要なんだ。 止まるのは悪いことじゃない。どんなスポーツにも、ための瞬間はある。それは止まっているわけじゃない。行為の中の、一連の動作なのだ。

遠山あかり

真剣にやっていた野球を諦めて会社員をやってきたけれど、なんか違うと思って会社をやめ放浪の旅にでようとする恋人への思い

ロマンス小説の七日間に関連するタグ

ロマンス小説の七日間を読んだ人はこんな小説も読んでいます

ロマンス小説の七日間が好きな人におすすめの小説

ページの先頭へ