児童向けに小野不由美の手腕は活かされるか
小野不由美が描く児童向けミステリある雪山で遭難した四人の男女がいた。彼らはある山小屋へたどり着き、そこで一晩を明かすことになった。凍死を免れるため、彼らはそれぞれ四隅に座り、一人だけ起きることにする。一人だけが起きて、ある程度時間が経てば隣の角まで歩き、そこで寝ている別の一人起こし、自分はその場所で眠る。そうすることで順番に睡眠をとることが出来、体力を温存できる、という流れだ。翌朝、計算どおり、彼ら四人は無事に下山することに成功する……。だが、そのときになって彼らは気づく。四隅に座った人間。最初に起きていた一人(Aとする)が立ち、隣の角の人間(B)を起こして自分はそこに座る。つまり先ほどまでAがいた場所は、からっぽということになる。Bは次のCを起こし、Cの場所に座って眠る。CはDを起こしDの場所に。最後のDはAを起こしAの場所……という流れだが、Aの場所には、誰もいない。つまり、五人いない...この感想を読む
3.03.0
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