エッセイにこそ三浦しをんの魅力はあり
直木賞作家・三浦しをんの正体は漫画好きの腐女子『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞を受賞した三浦しをんの名は、読者諸兄もよく知っていることであろう。2011年に『舟を編む』で本屋大賞を受賞したことも記憶に新しい。『風が強く吹いている』のタイトルを舞台、映画のいずれかで耳にしたことのある人もいるだろうし、『WOOD JOB!』の名で映画化された『神去なあなあ日常』を知っているという人もいるかもしれない。三浦しをんの作風にクセはなく、文体は総じて読みやすい。職業小説を描くことも多いが、それは作家三浦しをんの個性の一端を現しているに過ぎない。三浦しをんを語るうえで、一番忘れてはいけないのが「腐女子」「漫画好き」という点である。三浦しをんは男性同士の恋愛を描くBL(ボーイズラブ作品)に造詣が深く、また漫画(少女・少年問わず)をひたすらに読み続けている。旅先で荷物が増えるのも厭わず絶版となった古本を買いあさる...この感想を読む
4.04.0
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