風の歌を聴けの評価
風の歌を聴けについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が5件掲載中です。
各項目の評価分布
風の歌を聴けの感想
まだ村上春樹小説を読んだことのない人にお勧めしたい一冊「風の歌を聴け」
生きることの難解さ、生きることの悲しさを歌った村上春樹の処女作品小さい頃から生きることに疑問を感じてきた主人公の「僕」がデレク・ハートフィールドという作家の本と出会い彼が日々の生活を送りながら、デレク・ハートフィールドの言葉から影響を受けて、自分とは何か、この世界とは何なのかを問い始める。デレク・ハートフィールドは物語の内容や文章はレベルの低いものだったが、文章を武器として人生や夢や愛について直接語ることが出来る極めて稀な作家で、その戦闘的な姿勢はデレク・ハートフィールドと同年代のロスト・ジェネレーション作家(ヘミングウェイやフィッツジェラルド)と劣らないと主人公の「僕」は評価しています。デレク・ハートフィールドの「文章を書くという作業はとりもなおさず自分と自分をとりまく事物との距離を確認することである。必要なのは感性ではなく、ものさしだ。」との言葉に主人公の僕は恐る恐るものさしで自分...この感想を読む