タイトルを並べるだけで小説になるような
ニューヨーカーが選んだ珠玉の17の物語この本は、タイトルにもなった「象の消滅」を始めとする(本当は、このタイトルはすべての短編の最後に納められている。)全部で17の短編集である。もともとはニューヨークで発行された「The Elephant Vanishes」を日本で発行したという異例の逆輸入ということらしいが、これらの短編を選んだのがニューヨーカーたちだることが実に興味深い(もちろんニューヨーカーだけではないのだろうけれど)。余談だけれども、この「象の消滅」の英訳「The Elephant Vanishies」のこのVanishの意味が、これで初めて実感として腑に落ちたことを覚えている。収録されている短編たちは英訳された上でも尚、その魅力そのままに生き生きと表現されたのだろう、ニューヨーカーの趣味は素晴らしいと評価せざるを得ない短編たちである。もし私だったら何を選ぶだろうか、というような競争心も出てくるのがちょっと楽しいし、何作品かは...この感想を読む
5.05.0
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