もし僕らのことばがウィスキーであったならのあらすじ・作品解説
「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」は、1999年12月に平凡社から刊行された日本のエッセイである。累計発行部数1000万部を突破する大ベストセラー小説「ノルウェイの森」の作者であり、2006年には「海辺のカフカ」で第6回フランツ・カフカ賞を受賞するなど世界的にも高い評価を得、現代日本文学を代表する作家の1人として広く知られている村上春樹によって執筆された作品。 著者で小説家の村上春樹とその妻で写真家の陽子夫人の2人が、「ウィスキー」をテーマにスコットランドとアイルランドへの旅行に出発し、行く先々で出会ったウィスキーの味や蒸溜所・バーといったウィスキーに関連する風景と、そこに携わる人々の姿を描いた1冊。本に掲載されている写真はいずれも陽子夫人が撮影したもので、夫婦の共著とも言える作品である。1999年に初刊行された平凡社の単行本の他、2002年11月1日に新潮社文庫から刊行された文庫版も存在する。
もし僕らのことばがウィスキーであったならの評価
もし僕らのことばがウィスキーであったならの感想
村上春樹の写真付きエッセイ
時間もかからず、さくっとよめる作品なので、通勤中やお風呂などにおすすめ。小説と比べると文章量がとても少ない。活字を求める人には物足りないかも。村上春樹の小説にはよくお酒が登場する。そのひとつがウイスキーだ。内容は村上春樹がアイルランドやスコットランドをウイスキーをテーマとして旅するというもの。その先々で飲むウイスキーや、ウイスキーの蒸留所について書かれている。写真は村上春樹の妻、陽子夫人によるものだ。お酒好きな方や旅行好きの方でなければ楽しめない本だと思う。もしくは、村上春樹の大ファンか。ウイスキー好きにはぜひ読んで欲しい一冊だ。
アイラ島とアイルランドのウィスキーの旅を綴ったエッセイ
ウイスキーを巡るアイルランドのアイラ島の旅行記です。この本を読むと、村上さんは、ウイスキーが好きなんだなあと思います。蒸留所やパブを訪ね、そこで暮らす人たちとの交流も書かれていて、その土地のにおいが伝わってくるようです。写真が多くて、読んでいて小旅行しているようで楽しいです。こんなおしゃれな旅ができるのはうらやましいし、かっこいいなあとおもいました。渋くて素敵です。アイリッシュ・ウイスキーにも詳しくなれますよ。自分が猛烈に好きなことを語ろうとすると、ともすると回りくどく、時には小難しくなってしまうことがありますよね?でもこの本を読んでいると、好きなことって、素直に、ストレートに表現する方が素敵だなぁって思います。
曇天の島で、美味いウイスキーを飲む話。
モルト・ウイスキーの醸造元を訪ね、スコットランドのアイラ島とアイルランドを訪ねた旅行記。シングルモルト・ウイスキーの製法や島の風土・歴史をさりげなく交えながら、淡々と綴る筆致が静かで心地よい。なんといってもウイスキーがおいしそうな本なのだが、食事についての描写も生唾ものであった。読んでるとバルに飛び込んで、つまみをかたわらにシングルモルトを飲みたくなる。この本に関しては、妻である陽子さん撮影の写真の数々も、現地の魅力を伝え、文章の「彫り」を深める役割を大きく担っていると思う。曇天が多いという島の海岸線や空、町並み、猫や羊、また、貴重な春樹氏の映り込んだショットなど、コントラストが強く色調が渋い写真が多数掲載されている。毎日同じ酒を頼み、さっと消えていく老紳士の話など、愛すべき「酒飲み」のちょっとしたエピソードも心に残る。良質な酒と食のエッセイです。