走ることについて語るときに僕の語ることの評価
走ることについて語るときに僕の語ることの感想
「走る」という選択が「村上春樹」を作った。
ストーリー性は低い、しかし「読ませる」村上節は健在当然本作は小説作品ではないので、一貫したストーリーは無い。「村上春樹」という「小説家」が「走ること」について書く、というテーマがあるだけだ。ではエッセイなのか、というとそれも少し違う。中盤の、「僕は小説を書く方法の多くを…」と「もしそのころの僕が…」はマラソンやトライアスロンのレースに参加していない章で、エッセイ的と言えるかもしれない。ハーヴァード大学の新入生と思われる女の子たちの記述は楽しい雰囲気と表現の瑞々しさがあり村上春樹的文章特有の醍醐味が味わえると思う。「人はどのようにして走る小説家になるのか」のなかで初期作品、「風の歌を聴け」や「「羊をめぐる冒険」について語る部分はオールドファンには嬉しいプレゼントだ。(私は個人的に1995年までの村上春樹が好きなので、この部分は読み物として面白く何度も読み返した)そのように、エッセイではな...この感想を読む