実験的本作を経て、小川洋子はベストセラー作家になった?!
小川洋子らしからぬ、俗っぽい作品?最初にはっきりと言っておくが、私はこの『やさしい訴え』をあまり高く評価していない。正直に言うと小川洋子作品の中で最も俗っぽい駄作だと思う。誤解のないように言っておくが、私は小川洋子作品をこよなく愛している。わたし自身も小説を書いているが、彼女の影響を色濃く受けた小川洋子チルドレンと名乗るほどだ。その私をして、俗っぽいと言わせるこの作品、語ることに多少の痛みはあるが、勇気を出して分析してみた。正直、彼女の作品を評価して、これほど苦言を呈したことは無い。しかし、本作を語ることだけで終わらない論点を確認することができた。前半は批判口調になるが、小川洋子ファンも最後までこの分析を読んで欲しい。彼女がベストセラー作家になるための挑戦が、この作品にはあるのだ。以下でそれを語ろう。ありがちな恋愛テレビドラマのような展開…どうした、小川洋子?!本作はかなり恋愛要素を前...この感想を読む
2.52.5
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