スプートニクの恋人の評価
スプートニクの恋人の感想
詩的に美しく、異国の風景が印象的な作品
他の作品と一風変わった印象の小説これは、私が村上春樹の作品の中でもなぜかそれほど読み返していない作品である。短編を除き、時系列としてはこの後「海辺のカフカ」が出るのだけど、そちらはかなり本がくたびれるほど読んでいるのに、この「スプートニクの恋人」はいまだに綺麗なままだ。面白くないというわけでないのだけど、なにかしら何度も読むタイプの小説でないというのかそういう感じがする。村上春樹の作品であまり読み返すことをしない作品はこれと、「海辺のカフカ」の後に出された「アフターダーク」「1Q84」「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」になる。これらカフカの後の3作品は個人的にはあまり好みではなく、無条件に心に入ってきた初期の頃の作品に比べたらどこか読み劣りがして(それは年をとった自分のせいなのだろうと思う)私の本棚にはないのだけど、「スプートニクの恋人」は別にそういうわけではなく、家にはある...この感想を読む
これほどのゲス解釈はあるまい!というくらいやってみました。怒らないでねハルキスト
村上作品解釈、正直疲れませんか?私は氏の作品は大好きで、小説として発表されているものは全て読んでいる。村上ファンなら誰もが試みる自分なりの解釈、本書評サイトでもダンス・ダンス・ダンスまでの作品に自分なりの解釈をしているので、是非ご一読願いたい。読んでいただければ私がどれほど村上作品を愛しているかご理解いただけると思う。その私を持って1992年発表のねじまき鳥以降の作品の解釈には、徐々に喜びより疲れを感じるようになってきた。実際、国境の南、太陽の西までは細かい謎はある程度わきに置いても、大筋で読めて、その部分だけで感動できる。読後の感動があってこそ、後追いで細かいところを解釈していく喜びがあるのだ。しかし、ねじまき鳥クロニクル以降、解釈を考えながらでないと大筋そのものが分からない、という作品が書かれて行く。最初はそれを読者への一つのサービスと受け取って皆解釈していたけど、何作も続くと、そ...この感想を読む