模倣犯の評価
模倣犯についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
模倣犯の感想
ミステリーの女王、渾身の一作
宮部みゆきの代表作にして最高傑作のひとつ正直に言うと、私は宮部みゆきが好きではありませんでした。最初に読んだのが『レベル7』。最後まで読むことなく本を閉じてしまったほど、「自分とは合わないな」と感じました。しかし、「後味の悪い作品」「どんでん返し」が大好きな私は、友人の勧めにつられて『模倣犯』に手を伸ばすことになったのです。そしてこの作品を読んで、直木賞や山本周五郎賞を受賞するほどの実力が間違いなく彼女にあることを実感しました。ファンにとっては言わずもがなですが、1986年のデビュー以降『火車』『理由』など数々のヒット作を生み出してきただけでなく、2013年には『ソロモンの偽証』が映画化するなど、いまだ衰えを知らぬ女流ミステリー界の第一人者です。それも、女性ミステリー作家10人に石を投げれば2~3人に当たるような「日本のアガサクリスティ」レベルではなく、彼女自身が一つのジャンルになるような偉大な作家...この感想を読む